出張で何処か地方に行った際に、居酒屋は当然行くことになるが、どこに行ってもその土地の古いバーを訪ねることがある。
別にカクテルやウイスキーに詳しいわけではないが、何となく〆でラーメンならぬ、〆でバーというスタイルが時々あるのだ。
札幌「バーやまざき」
札幌で行ったことがあるのは実は今のところ僅かに1店舗のみなのだ。それが札幌はすすきのにある『バーやまざき』。
今年で還暦のバー
オープンしたのは1958年、昭和33年のこと。
今年で還暦を迎える老舗バーだ。大正9年生まれの店主の名前は東京は小石川の生まれ、何の関係もないが、山下達郎とは一文字違いの山崎達郎さんだった。
だったと過去形なのは2016年11月に96歳で亡くなったからだ。
最後まで現役だった伝説のバーテンダー…。まだ存命中に行っているが、いつも居るわけではなく、残念ながらその姿を見ることは出来なかった。
アクセス・外観
札幌市営地下鉄南北線『すすきの駅』1番出口から100mくらいのところにある。ラーメン屋『すみれ札幌すすきの店』が2Fにあるビルの隣と言うとわかりやすいかもしれない。
入っているのは『克美ビル』で4Fまでエレベーターで上がると店がある。赤レンガの壁に丸い照明看板。
オレンジに白抜きで『やまざき/BAR YAMAZAKI』、その内側には白地に横顔のシルエット。マホガニーの珍しい自動ドアの奥に広がる店内は想像していたよりも広い印象。
店内
入って右手にはボックス席で、壁には素晴らしいゴブラン織のしつらえ。左手にはかなり長い一枚板のカウンター、奥のチーク材の棚には当然ながらスゴイ数のお酒。
オーセンティックバーにしては明るい店内、味のある素敵なランプが店内をちょうど良い明るさにしている。
真空管アンプなんだろう、絶妙な音量でジャズが店内に流れている。意外にこの音の大きさってやつは大事だ。
聞こえ過ぎてもダメだし、何の曲かわからないほどでもダメだ。まあこういうのは人それぞれの好みかもしれないが。
いずれにしても、まさに老舗らしく素晴らしい雰囲気ではあるが、決して堅苦しい感じではなく随分とカジュアルな印象を受ける。
まあそれを良しとする方と、少し違うかなと思う方が居るかもしれない。そうやって自分の好みの場所を見つければ良い。
バーテンダーは皆赤いチェックのベスト。意外に若い人達なのだが、その腕前と接客態度はなかなかな素晴らしい。
老舗のオーセンティックバーでありながら、案外親しみやすくて気軽に楽しめる雰囲気。そして言うまでもなく居心地はとても良いに決まっている。
メニュー
ここに来たらやはりここのオリジナルカクテル、人気の『サッポロ』は呑んでおきたい。もう40年近く前にジュネーブの国際カクテルコンクールで特別賞を受賞したものだ。
アマレット・ディ・サロンノ、ウォッカをベースに、ドライベルモット、シャルトリューズヴェールを加え、最後にグリーンチェリーを飾る。
甘口のカクテルがおイヤでなければ是非どうぞ。ボクはカクテル自体飲むようになったのは最近のことなので、ここではこれは飲んでいない。
ところで、
良いバーはうまいオムレツとサンドイッチを出すものなんだ
というフレーズがあった。
村上春樹の小説、『鼠三部作』と言われている中の三番目の作品、『羊をめぐる冒険』に出てくるフレーズだ。
読んで以来、いつかはバーでうまいオムレツとサンドイッチを食べたいと思うのだが、残念ながらバーで食事をすることは今のところない。何しろ『〆』で使うからだ。
このお店には、果たしてオムレツとサンドイッチがあるのかどうなのか?はわからない。ただ、他の席の方が食べていた料理は気になった。
何かゆでたまごをルイベみたいにしてスライスしてわさび醤油で食べている方が居て、それが何だか美味しそうで、未だにちょっと気になったが、結局食べないまま今日に至っている。
まとめ
ボクがこれまでに言ったバーの数なんて居酒屋とは違って、その数はたかが知れている。それでもここは良いなと思えたお店。
基本的に、居酒屋は『居心地が良いかどうか?』が大事なのは当たり前なのだが、結局のところ、バーもやはり同じなのである。
札幌「バーやまざき」
最後に「バーやまざき」基本情報。
住所: 北海道札幌市中央区南3条西3丁目
電話:011-221-7363
営業時間:18:00~00:00
日休
その他:全面喫煙可
カード可
サービス料10%
チャージ料1,000円
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
バーやまざき (バー / すすきの駅(市営)、すすきの駅(市電)、狸小路駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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