福岡市中央区大名エリアは至る所に小さな路地が延びており、その路地は複雑な形に入り組んでいる。
福岡藩初代藩主黒田長政が、敵が攻め難く、鉄砲の弾から身を守る為に、道をかぎ型やT字型につくった名残だそうだ。
以前は紺屋町、小姓町、鉄砲町などの町名があったが、今はもうない。その代わりに通りの名前として復活している。
その中の1つ、紺屋町通りの細い路地を奥へ奥へ進んで行ったところに店を構えているのが今回の『寺田屋』だ。
京都寺田屋と寺田屋
寺田屋、多くの方が思い浮かべるのは『寺田屋事件』のあの寺田屋だろう。と言っても寺田屋事件は2回ある。どちらが知られているだろう?
寺田屋だけではなく『池田屋事件』とか『近江屋事件』もあるので、どれが何だったかぐちゃぐちゃな方も居るかもしれない。
寺田屋事件の1つは差薩摩藩の国父である島津久光が薩摩藩尊皇派を始末した事件。もう1つが坂本龍馬襲撃事件。
池田屋事件は新選組が長州藩・土佐藩などの尊王攘夷派を襲撃した事件で、近江屋事件は坂本龍馬暗殺事件だ。
それでその寺田屋とこのお店は関係があるのか?と言うと、どうやらここのオーナーが坂本龍馬好きだったようだ。二階の階段踊り場に龍馬の写真もある。
博多「寺田屋」
このお店、もしかすると最初は見つけ難いと言えば見つけ難いのかもしれない。
アクセス
最寄り駅は地下鉄の『赤坂駅』。紺屋町通りを目指して歩いて行く。福岡市中央区役所とセブンの間の通りを真っすぐ。左手角にクリーニング屋がある。
その十字路を左に曲がり真っすぐ。突き当たったら右へ。『餃子のテムジン』が四つ角にあるのがわかれば、その手前に本当に細い路地を見つけられるはずだ。
大きな『寺田屋』と書かれた白い大きな提灯が目印になっているので、すぐにわかる。ここで良いのか?と不安になる方も居るだろうが、その路地の先がお店。
外観
途中にも他にお店があるがまだ寺田屋ではない。更に1番奥まで進んで行くと玉砂利に石畳。そこにも店名の書かれた提灯と木の板がある。
お店がどうなっているのかはよくわからない。だいたい入口はどこだ?と見回すと、どうやら右にある小さな番小屋木戸のようなところが入口のようだ。
まあここしかないもんな、とそこを開けて腰をかがめて中に入る。靴を脱いで脇の下駄箱らしきところに靴を入れればやっと到着だ。
店内
正面には急な階段があり、2Fは座敷になっているそうだ。1F左手がカウンター席になっている。 決して広くはない。10人が座れるかどうかだろう。
カウンターを掘りごたつ式に囲む板の間に敷かれた座布団に座る。そのカウンターには大皿料理や素材の野菜が置かれていてどれも美味しそうだ。
ケースの中には魚も入っている。手前の壁には達筆手書きの品書。奥の古そうな棚には徳利やお銚子が置かれ、棚の上には焼酎の一升瓶が並べられている。
更にその上には坂本龍馬の書、『遊魚動緑荷』と書かれたレプリカの額縁まで飾られている。 遊魚(ゆうぎょ)、緑荷(りょっか)を動かすというやつだ 。
池で遊ぶ魚ですら、水面上の大きなハスの葉を自由に動かしているのだ。ならば人間一人ひとりが天下国家を動かそうとして何が悪いのだ。
と言う感じだろうか。良い言葉だ。
メニュー
そんなわけで、 このこじんまりとした空間は非常に落ち着くし、よって居心地もかなり良い。
雰囲気だけでも素晴らしいのだが、また料理と酒も良いのである。 『刺身盛合わせ』は頼んでおきたい。当然その時で内容は変わる。
『馬刺しの盛合わせ』も良い。
『ポテトサラダ』がまた美味しい。
『おでん』もある。
『白子焼き』も顎が落ちそう。
まあ何を頼んでも外さないのである。
まあいろんなものがタイプの料理が楽しめる。 どれも間違いなく美味しい。
そして思っているほど高くはない。
お酒もまた良い。
揃えも良いが徳利も良い。
御猪口と言うかグラスがまた美しい。
全てにおいて申し分ないという言葉が1番合っているだろう。
まとめ
先ず店に入るまでが良い。入ってからの雰囲気も良い。料理もお酒も良い。接客も良い。不足しているものは何かないか?と考えてみたが特に見当たらない。
「寺田屋」基本情報
最後に「寺田屋」基本情報。
住所:福岡県福岡市中央区大名1丁目11−29
電話:092-761-4554
営業時間: 18:00~24:00
不定休
その他:全面喫煙可
カード可
予約可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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