行ってみればわかるが、住んでいるならともかく、そうでなければ、ここで電車をわざわざ降りることなど普通はないだろう。
それでも、このお店に行くからという立派な特別な理由で、この駅に降り立つ人々がきっといるはずだ。
大阪「スタンドアサヒ」
そのお店こそが『スタンドアサヒ』なのである。
大阪で1番良く行くお店は『明治屋』↓なのだが、ここも是非押さえておきたいお店だ。
お店の始まり
アクセス・外観
さて、この何の変哲もない南田辺の駅で電車を降りて高架線の階段を下る。駅の改札を抜ければ左手にはもうお店が見えている。ただその外見はガッカリするくらい普通だ。
どう見ても住宅街に玉にポツンとある、地元の方しか通うことのない、ごく平凡な大衆酒場くらいにしか見えないのだが、実は知る人ぞ知る名店なのだから面白い。
店内
創業してから既に80年を超えているわけだから、そこには生き残るだけの理由があるはずだ。まあそのあたりは言って感じてみないとなかなかわからないかもしれない。
先ず暖簾をくぐって中に入ると、正面には赤いカウンター、左にはテーブル席、奥には半仕切りの一角にある。居酒屋と言うよりも赤いカウンターのせいだろう何か食堂みたいな感じだ。
決してキレイな感じは全くないのだが、それが却って落ち着く。そして驚くことにほぼ満員なのだ。予約をしなければ遅い時間でないと入れないだろう。
ここは周りに他のめぼしいお店があるわけでもなく、万が一入れない場合はつぶしが効かないので、当然100%予約をしてから行くことをおススメする。
そして注意したいのが、予約時間より早く行っても大丈夫だろうと思っていると、実はまだ席がないなんてこともあるということだ。
実際に早目に伺って予約の名前を告げても、しばらく待っていてと言うわけで、肘置き付きのカウンターを縦に見る形で1番端の切れ目取り敢えず座って待つなんてことが起こる。
やがてカウンター席の方が早々に店を後にすると、やっとカウンターを正面に席に潜り込むことが出来るという具合だ。
メニュー
ビールは当然アサヒビールしか置いてない。まあこの店の始まりを知ってみれば、それは当たり前のことだとわかる。
ココでは最初に皆が必ず注文するという『小鉢』と呼ばれる炊き合わせをビールと共に注文してみると良いだろう。
この『小鉢』はここの名物らしく確かに素晴らしく美味しい。鯛の子やカボチャがほんのり甘くて、これを食べられただけでも来た甲斐があるというものだ。
そして何を食べてもかなり美味しい。例えばサッパリの『たいの酢の物』。酢の物があまり好きでない人ほど1度食べてみると良い。
そして、大阪の居酒屋には欠かせない鯖のきずしに美味しさ抜群のおからを合わせた名物『さばからまぶし』。これはまさにお酒の肴としては一級品だ。
目の前で焼かれている『焼き鳥』。今はもう閉店してしまった盛岡の『とらや』で食べた時のように、口に入れて一口噛んだ瞬間に『これは美味い』と呟いてしまったほどだ。
ゆずの皮をおろしたものがかけられたことで美味しさ倍増の『子芋煮』。こういったちょっとしたものがとにかく美味しいのだ。
どの料理もそのクォリティが高いわりに非常にリーズナブル。なかなかここまでコスパが高いお店はない。
お酒はこういうお店にありがちで種類は多くない。ビールの後なら熱燗も悪くない。『白鶴』の透明の瓶をそのまま燗したものが出される。お猪口も外側に『白鶴』の蛇の目のもの。
まとめ
以前訪れた時は、何となく長居するようなところでもないと、早々に店を出て次に向かったのだが、なかなか行けないことを考えるともう少しゆっくりすれば良かったと後悔している。
そんなお店なのだ。だから80年もの間、普通の住宅街のようなところで生き残れたんだろうし、全国からお客さんがやって来るのも納得のお店なのだ。
大阪「スタンドアサヒ」基本情報
それでは、最後に『スタンドアサヒ』の基本情報を。
住所:大阪府大阪市東住吉区山坂2丁目10−10
電話:06-6622-1168
営業時間:17:00~22:00
日曜休
その他:全面喫煙可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
スタンドアサヒ (居酒屋 / 南田辺駅、田辺駅、西田辺駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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