高知で失敗しないおひとりさま「酒亭どんこ」

高知「どんこ」看板

高知市内で必ず行っておきたいお店は?となると、はりまや橋から歩いて5分ほどにある創業60年以上の老舗大衆酒場『葉牡丹』がまず思い浮かぶ。あとは『黒尊』も有名だ。

高知「葉牡丹」

先日訪れた『高知55番街』入口にある『湖月』もかなり素敵なお店だったのでそのうち紹介したいのだが、今回は先日久し振りに出会った素晴らしいお店のことを。

高知「湖月」

素晴らしい居酒屋?

ところで、いいね!ここは外せない!のお店は数々あれど、これはなかなか素晴らしいぞ!となるお店というのはそうそうないものだ。兎にも角にも素晴らしい!となると更に少ない。

兎にも角にも素晴らしいぞ!となるお店

どういったお店がそうなのか?と言えばパッと思い浮かべてみる。

東京『鍵屋』、大阪『明治屋』、八戸『ばんや』、仙台『源氏』、秋田『酒盃』、京都『赤垣屋』…といったところが即出てくる。

このあたりは、もう兎にも角にも素晴らしい!となる。今まで行ったお店の数を考えたら相当少ない。もちろん自分勝手な基準だが、多分それほど的外れでもないだろう。

なかなか素晴らしいぞ!となるお店

高知「どんこ」入口

なかなか素晴らしいぞ!になるとその数は随分と増えてくる。実は今まで行ったお店の多くがここに入ってくる。

じゃあ随分ユルイ基準だということにもなりかねないが、そういうところにしか行かないようにしているのだから自然にそうなるものなのだ。

なので敢えてここには挙げないが、今回紹介したいお店は、ボクにとってはこの『なかなか』と『兎にも角にも』の中間に位置する感じだ。

それが高知で発見した(とはいっても有名なお店らしい)『どんこ』だ。

高知で発見!「どんこ」

発見とは言っても、まあ地元では有名なお店なんだろう。某グルメサイトでも3.71とかなり評価が高いし、『TOP5000』にも入っている。そう考えると全然発見じゃあない。

高知「どんこ」入口

「どんこ」は蓮池町通の真正面

高知「どんこ」入口

さて、高知龍馬空港から高知に入るなら高知市内へはバスで720円、30分は掛からない。そして今回のお店、『どんこ』にそのまま直接伺うのなら『蓮池町通』で降りればすぐ目の前。

ただ電車通りには面していない。看板は出ているがお店はまだそこにはない。細い路地がその先にあり、その正面にもお店らしき入口が見えないのだがそのまま進んでいく。

仙台の『源氏』、『酔亭よっちゃん』、『おでんこうぞう』、博多の『寺田屋』のようなすぐにお店がないスタイルを思い出すと、ついついここも良いお店だろうという期待が高まる。

昭和な古民家

高知「どんこ」入口

突き当りの左手、そこ現われたのは昭和な古民家の玄関。先には小さなお庭がある。『古民家風』ではなく本当に古い家のようだ。

普通の家の玄関みたいなので靴を脱ぐのかどうなのか考えてしまうところだが、だからだろう『土足のままでお上がり下さい』と書かれた紙がボードに貼ってあるのでそのまま中へ。

入ると文庫本が積み上げられていたり、バケツや段ボール箱などがあれこれと雑然と置かれていて、お店というよりもまさに誰かの古いお家を訪れた感覚になる。

もっとオシャレっぽく出来そうなのに、ワザとなのか、気にしていないのかはわからないが、何かアンバランスな感じが不思議な雰囲気を醸し出している。

店内はこんな感じ

高知「どんこ」店内

そして左手が店内ということになる。正面左手前にテーブル席とその先にカウンター席、そして仕切られた右手が座敷席になっている。20人くらいが入るので精いっぱいだろう。

絞られた照明で良い雰囲気である。カウンターは5席。一番奥に座ると目の前には黒電話。ただ置いてあるかと思えばちゃんと掛かってきて音が鳴る。

席が空いているかどうかの問い合わせが多いようだったが、久々に実際の黒電話が鳴る音を聴いて懐かしくなった。

カウンターの向こうに目を移すと棚がまるでバーのバックカウンターのように背後が明るく、その手前にキレイにお皿や小鉢や盃などが並べられている。

上に目をやると格子の絞られた照明。これと棚の照明がちょうど良い感じの明るさ。照明の上には板に書かれたお品書き。天井が簾天井なのがまた良い。

入口の雑然さとは打って変わって非常に落ち着いた素晴らしい雰囲気だ。当然心地良く時を過ごすことが出来る。

「どんこ」お品書きあれこれ

お品書きには価格が書かれていないので不安に思う方も居るかもしれないが、予想をはるかに上回るようなことはない。

高知「どんこ」お品書き

料理

高知「どんこ」鰹塩タタキ

ここでゼッタイに食べるべきはもう『鰹のたたき』だろう。ポン酢と塩があるがあって選べるのだが、ここはやはり塩で食べたい。

出てきてびっくりの盛り付け。鰹は全く見えない。たっぷりの刻み葱の下にすっかり埋もれてしまっている。

そして大葉に仕切られて美味しそうなフルーツトマト、更に生ニンニクのスライスとミョウガ、そして柚子果汁の入った小さな器が土鍋のような器にキレイに添えられている。

他でも塩タタキを食べたことはあるが、ここのは絶品。そのまま葱とニンニクとミョウガで食べても塩が効いていてとても美味しいが、柚子果汁をかけて食べるのもまた良い。

そしてフルーツトマトを合間に食べられるのが更に両方の美味しさを引き立ててくれる。とにかく感動する美味しさと言っても過言ではないだろう。

もちろん鰹のタタキ以外にも美味しいものが色々と揃っている。『ちゃんばら貝』もお酒にピッタリの肴だ。

高知「どんこ」ちゃんばら貝

ちなみにこのちゃんばら貝は、貝の身の先の本来フタがある部分が刀のようなギザギザのトゲになっている。

これを振り回してちゃんばらしているような面白い動きをするようで、これが名前の由来になっているみたいだ。正式には『マガキガイ』。

楊枝でクルクルっと奥のわたの部分まできれいにとれたら、この刀の部分をもって食べる。間違っても取り出して丸ごと口に入れたらこの刀で口の中が切れるかもしれないので注意。

あとは『水ナス』。鰹節がたっぷりと添えられていて1本丸々を切ったもので、一人だと多いかなと思いながらもアッサリ食べられる美味しさ。

高知「どんこ」水なす

ここは鯖寿司が美味しい。電話で事前に予約する方も居るみたいだ。お店に入った時はまだあって、最後に食べようと思っていたら既に完売ということもある(実際自分がそうだった)。

お酒

高知「どんこ」酔鯨

お酒は基本的にビールからワインまで一通り揃っている。焼酎なら高知なので『栗焼酎ダバダ火振り』あたりが良い。

『ダバダ』は人の集まる場所『駄場(ダバ)』と、火振りは四万十川流域の伝統的鮎漁法『火振り漁(松明の火を振り鮎を定置網に追い込む漁)』を合わせたものだそうだ。

日本酒なら『酔鯨』や『亀泉』や『美丈夫』などの高知の酒が揃っている。片口に入れられたお酒に照明が映るのがとてもキレイだ。

高知「どんこ」亀泉Cel24

決して種類は多くないが充分な選択肢。いずれにしてもゆったりと気持ちよく美味しいものを食べて飲める心地良いお店だ。

「どんこ」アクセス・営業時間などなど

最後に「どんこ」の基本情報。

住所:高知県高知市はりまや町2-1-21

電話:088-875-2424

営業時間:ランチ 11:30~売り切れ次第終了

夜 17:30~23:00(料理のLO22:00)

無休(日曜・祝日は夜のみ営業)

その他:全面喫煙可

予約可

おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)

予約は必須のお店だ。飛び込みで断られている方が何人もいらっしゃったので注意。

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