高知で行くお店は大体決まっている。老舗大衆酒場でCP抜群の『葉牡丹』か、静かにじっくり美味しいものを飲んで食べられる『どんこ』の2店だ。
そんな中、たまには違うところにでもと思って伺ったお店がある。
高知55番街
はりまや橋から高知城の間にかけて伸びる商店街『帯屋町』。一丁目商店街と二丁目商店街があり、全長700mのアーケード街となっている。
その帯屋町と隣接しているのが『追手筋』。ちょうどその境目あたりに『高知55番街』という昭和な雰囲気の横丁がある。
蕎麦と酒 湖月
その入口の1つにあるビルが『湖月ビル』。何軒か飲食店が入っているのだが、階段を上がった2Fに店を構えるのが、4代続く老舗蕎麦屋、創業昭和12年の『蕎麦と酒 湖月』だ。
『湖月ビル』と言うくらいなんだから、このお店の四代目がこのビルのオーナーなのかもしれないがそれは聞きそびれた。
ちなみにこのお店、いわゆる蕎麦屋というよりも、どちらかと言えば居酒屋といった感じである。もちろん美味しいお蕎麦も食べられるが、居酒屋な雰囲気なのだ。
確か10周年とか何とかだった気がするので、今のような形態になったのはきっと最近のことなのかもしれない。まあそのあたりはよくわからないが、良い店であればそれで良いのだ。
2018年10月改装
それでどうやらこのお店、最近改装したようだが、訪れたのは改装前のこと。改装後は奥の部屋の座敷をテーブル席にしたようだ。
そして改装ついでに残念なことに全面禁煙になってしまった。以前伺った時は全面喫煙可だったがこれも時代の流れだから仕方がない。
しばらく行ってないうちに全面禁煙になったお店が熊本にもあって、入ってしばらくしてから気付いて非常に残念だったが、ここもそうなってしまいましたか。まあそういうことだ。
でもまあ店の外に喫煙スペースがどちらも設けられているからまだましなわけで、それに意外に良いお店では煙草を吸わなくても全然平気だったりもするのだ。
店内
さて改装前の店内だが、入って右手が短めのカウンタ―、左手がテーブル席だったと記憶している。カウンター席に腰掛け左を見ると日本酒の瓶がたくさん入っている。
高知の地酒以外にも全国各地のものが揃っている。選択肢が多いのは全部飲めるわけでもないが嬉しいことだ。
壁の棚には様々な御猪口が並んでいてキレイだ。カウンターは焦げ茶色。全体的に落ち着いた印象を受ける。
年月が経っていないので歴史を積み重ねてきたというわけにはいかないが、さっぱりとした小奇麗なお店である。
メニュー
先ずはハートランドのビールからスタート。
確かこの二品はお通しだった気がするのだが、どうだっただろう?
味が濃すぎず薄すぎずで美味しかったことはよく覚えているのだが。
『5月2日の酒の肴』というメニューがある(意外に昔に行ったのだだった)。毎日変わるのかどうかはわからないが、なかなか魅力的な品が並んでいる。
カツオ刺身、タタキ、アオリイカ刺身、平スズキ刺身と共に書かれていたのが『ベイケン刺身』と『メシイカ(刺身・酢味噌)』。
『ベイケン』の標準和名は『カイワリ』というアジ科の魚。何でも高知ではかなり安くスーパーなどで売られているようだ。でも、これがなかなかの美味。
『メシイカ』は頭に詰まった『メシ』ことたまごが美味しいイカ。これもまたトロトロとした食感で美味しい。
添えられている『きゅうりと大根のつま』もまたさり気なく美味しい。刺身のつまがいい加減なお店も多い中、こういうのが良いのだ。
『行者にんにくの味噌漬け』もお酒の肴には持ってこいの一品。
日本酒は何を飲んだのか?は定かではないが、メニュー写真を見返すとそこそこ揃っているのがわかる。
グラス(90ml)でだいたいが550円、片口(150ml)で750円ほど。
他にも美味しそうな酒と肴が揃っているが、最後の〆はやはり蕎麦を食べておきたい。
つゆが結構美味しかった。
蕎麦湯が出てきたが、器が多分昔から使っている感じのもので、こういったところに実は歴史を感じさせるのはなかなか良いかもしれない。
まとめ
日本酒の揃えも良いし、それに合う肴も美味しい。キャパもさほどないので静かに美味しく頂くことが出来る心地良いお店である。〆に蕎麦を食べたい時はここに限る。
「蕎麦と酒 湖月」基本情報
最後に「蕎麦と酒 湖月」の基本情報。
住所:高知県高知市追手筋1丁目8−10
電話:088-822-4276
営業時間:昼11:30~14:00[水・木・金]
夜18:00~2:00
昼)土、日、月、火、祝祭日休
夜)日、月、祝祭日休
その他:全面禁煙
カード不可
予約可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
そばと酒 湖月 (居酒屋 / 堀詰駅、はりまや橋駅、大橋通駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5
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