一本義久保本店「伝心 純米 秋 ひやおろし」

伝心 純米 秋 ひやおろし

一本義久保本店

福井県北東に位置する奥越前勝山は四方が山々に囲まれた盆地、最深積雪量が1メートルを超すことも珍しくない県内屈指の豪雪地だ。

ここは以前アメリカの経済誌フォーブスの『世界でもっともキレイな都市25ランキング』で世界9位、アジアではなんと1位を獲得したことがある。

酒造好適米『五百万石』の全国有数の産地でもある。

伝心 純米 秋 ひやおろし

そんな勝山で今でも唯一の造り酒屋が『一本義久保本店』だ。

創業はそんなに古くなく明治35年。隣家の酒造家が廃業されるということで、酒蔵・道具一式を買い受け、酒造業を引き継いだのが始まり。

当初の銘柄は『澤乃井』にしようとしたが、既に存在していた為、同郷の笠松家ご当主に『一本義』という勝山藩小笠原家の御用酒銘を受け継いだようだ。

伝心 純米 秋 ひやおろし

その『一本義久保本店』の銘柄は当然『一本義』なのだが、平成に入って酒の級別制度が廃止された頃に新たな限定流通ブランドを立ち上げている。それが『伝心』だ。

人が面と向かい、話し合うだけでは心を通い合わせることができないとき酒が一滴の魔法となって心を伝え、和を結ぶことができる。日本人がはるか昔から大切に育んできたそんな知恵をもとに、新たに立ち上げたブランドには、「伝心」と銘を付けました。

ということらしい。

『酒造りは米づくりから、米作りは土壌づくりから』を合言葉とし、『五百万石』・『山田錦』・『越の雫』という3種類の酒米を育て、通年4種・限定1種・季節4種の酒を醸している。

そして今回の『伝心 純米 秋 ひやおろし』は秋から冬にかけて仕込んだ通常酒である『伝心 稲(純米酒)』の原酒を蔵内貯蔵タンクの中で夏越し熟成させた季節酒の1つ。

熟成したことで味わいの角が取れてまろやかになった次の秋ごろに、瓶詰め時の火入れをしない生詰で出荷される。

ラベル

伝心 純米 秋 ひやおろし

『伝心』の銘柄はラベルではなく、緑色の瓶に白い文字のシールで書かれている。

伝心 純米 秋 ひやおろし

同様にシールのキレイな紅葉が上の方に。

細長いラベルにはスペック等が書かれており、これも秋を感じさせる色合いがキレイだ。全体的に印象深いまさにひやおろしだなと思わせるものになっている。

データ

伝心 純米 秋 ひやおろし

原料米は奥越前でのみでしか栽培されていない年間1,000俵程度の希少な酒米『越の雫』を全量使用。精米歩合は65%。

日本酒度+1、酸度1.6、アミノ酸度2.0、アルコール度数18~19%、酵母は自社酵母を使用している。

口に含むと柔らかな甘みが広がる。もちろんベタベタした甘さではない。そしてさわやかな酸味、原酒ならではの力強い旨みが後口を引き締める。

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