倉敷と言えば、かつては江戸幕府直轄の『天領』として栄えたところだ。
倉敷川の畔から鶴形山南側の街道一帯には白壁となまこ壁、瓦屋根の屋敷や蔵が立ち並び、掘割りの水面に柳並木と天領時代の街並みが残されている。
そのいわゆる『美観地区』はやはり1度は訪れたい場所だ。
昼間も悪くはないがやはりここは日没後が本当におススメだ。
昼間とは違って人も殆ど歩いていないし、
東京タワーや東京駅のライトアップなども手がけた世界的照明デザイナーの石井幹子プロデュースの『倉敷夜間景観照明』によってまた違う表情を見せてくれる。
月並みな言い方ではあるが、
まるでタイムスリップしたかのような気分になれるのが何だかとても良いのだ。
倉敷「酒房八重」
そんな美観地区の一角に店を構えている居酒屋がある。
『酒房八重』だ。
アクセス
お店は美観地区でも終点の端っこの方、新前神橋のすぐ近くにある。
倉敷駅からのんびり20分くらい美観地区を歩きながら行くのも良いし、タクシーで6.7分でサッと行くのでも良い。
外観
店構えは風格のある一軒家で、重厚な瓦の屋根に白い文字で屋号が書かれた扁額も立派。
暖簾もまた良い。
店内
店に入れば網代天井に年季の入った木札のメニュー、細割竹腰壁に砕石研ぎ出しの床に障子窓、古いが掃除が行き届いていることが良くわかる。
席は一人ならガラスケース前のカウンターが良い。もちろんグループならテーブル席も座敷席もある。
TVはなくても良いんじゃないかなとも思うけれど邪魔にはならないし、その話題から色々と話が広がって楽しめるという意味ではまあありかなとも思う。
創業は昭和42年の半世紀以上続くお店で、とても人柄の良い兄弟で営んでいる。女将さんも親切で優しい。
メニュー
ここでは暖簾にもあったように、瀬戸内の新鮮な魚介はやはり食べるべきだ。
刺身はどれも新鮮で美味しいし、塩焼きや煮付けや唐揚げなども素材が良いので申し分ない。
夏に行ってもしもあったなら『まなかつお』は是非とも食べておきたい。程良い軟らかさで甘味がある上に脂がのっていてとても美味しい。
このまなかつおは、かつおのいない瀬戸内海などで、初夏にとれるこの白身の魚をかつおに見立てた『真似鰹(まねがつお)』から転訛したものと言われている。
もちろん『焼きままかり』も岡山なのだからやはり食べたいところ。
他に是非食べて欲しいのが『生揚げ』で、これはもう絶品。その場で揚げてくれて熱々、生姜醤油で食べればかなり幸せになれる。
あとは『黄にらとじ』、こればなんとも優しい味でホッとする。
同じく〆で食べたい『にゅーめん』も、ラーメンとは違ってとても優しく〆られる。
最後にその時々の果物をサービスで出して頂けるのがまた嬉しい。
お酒も色々揃っているのだが、ここでしか多分呑めないのではないかというのが『渡辺酒造』のつくる『嶺久誉』。
一般には売られていないものらしく、特別に直接分けてもらっているということだった。
これが濃厚でとても美味しいのだ。
まとめ
このお店の周りの雰囲気も、このお店の構えも、そして店内も申し分のない雰囲気だ。なかなかこう揃っていることもない。
美観地区を歩いて、その後はこのお店にやって来て美味しい料理で一杯やって、その後は例えば宿を『倉敷アイビースクエア』にとって温泉に入る。出張でもかなり満足度は高くなる。
倉敷「酒房八重」基本情報
それでは最後に『酒房八重』の基本情報。
TEL:086-422-1626
住所:〒710-0054 岡山県倉敷市本町5−14
営業時間:17:00~23:00
日曜休
その他:全面喫煙可
カード不可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
酒房 八重 (魚介・海鮮料理 / 倉敷市駅、倉敷駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
Comment