仙台で失敗しないおひとりさま「元祖炉ばた」

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

『炉ばた発祥の店』が仙台にある。

炉ばた発祥のお店と炉ばた焼き発祥のお店

良くそれは釧路でしょう?と言う方が居るが、釧路発祥なのは『炉ばた焼き発祥のお店』で、『焼き』が付く。この仙台のお店の二番弟子が始めたものらしい。

他の弟子たちも大阪・青森・福島で店を出したそうだが、釧路の港で水揚げされた魚を焼いて出したのが『炉ばた焼き』の始まりらしい。

炉端と炉端焼きの違い

それで『炉ばた』と『炉ばた焼き』の違いは何なの?と言うと、 『炉端』は囲炉裏を囲んで飲んだり食べたりスタイル。

『炉端焼き』の方は、炉で魚や野菜を焼く料理。まあ読んで字の如くそこで焼くのか焼かないのかの違いというわけだ。

郷土酒亭 元祖 炉ばた

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

それで、この『炉ばた発祥の店』が『郷土酒亭 元祖 炉ばた』だ。

稲荷小路にあるお店

国分町の稲荷小路にそのお店がある。

立ち並ぶビルの1つの奥まったところに入口があるので、注意しないと通り過ぎてしまうので気を付けたい。

ところで、この『稲荷小路』は東一番丁通と国分町通の間に平行する通り。戦後の復興区画整理で出来た道路だ。

通りのまん中にお稲荷神社があったことから、その名前で呼ばれるようになったらしい。

昭和23年、この稲荷小路に程近い虎屋横丁で火災が起きる。その時、このお稲荷さんの隣で鎮火したことから『火伏せの守護神』として鎮座している。

外観・店内

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

入口には木の切り株に店名が書かれた古そうな看板が掲げられている。下には藍に白抜きで鈴が描かれている大ぶりの2枚暖簾が掛かっている。

そこをくぐって中に入ると障子の戸が現れる。閉じられたその戸の外側には席は一切ない。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

ただ右の壁には木の板があって、そこには白い文字で『郷土酒亭濾ばた発祥の店』と書かれている。更に『旅はみちずれ 炉ばたの膳に』と言う文言と絵が。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

元々このお店はここで始まったわけではないらしいので、移転前のお店のものなのかもしれない。

お店の方が出てこないので思い切って障子の戸を開けてみる。そうすると、カウンターに囲まれた畳敷きの間が現れる。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

その畳の真ん中には小さな囲炉裏が置かれている。その囲炉裏には銅壷がある。もちろん炉ばた焼きではなく炉ばただから魚も野菜もないし焼いてもいない。

ただ雰囲気は素晴らしく良い。移転したとは言え、何となく長い歴史を感じさせてくれる。

ちなみにこのお店の歴史はそもそも1950年、昭和25年まで遡る。創業したのは先代の天江富谷弥氏。

この店を出す時に知人から大きな木べらをプレゼントされたが、この木べらは飾られず、客に酒や料理を差し出す柄付きの盆のように使用される。

これが後に全国に広まる炉端焼きの特徴の1つになったということだ。

それで、この天江富谷弥氏は仙台の造り酒屋『天賞酒造』の三男で、仙台の文化人・趣味人として有名な人で、大正期より児童文化活動家として知られていた。

昭和初期に起こった第1次こけしブームの火付け役、東北限定の玩具・こけしを全国に知られる民芸品に押し上げた郷土史家でもある。

野口雨情、竹久夢二、宮沢賢治、永六輔など幅広い交流関係を持っていたようだ。だからか、店内には夢二の絵が飾られている。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

神棚があり、天井からは七夕飾りがぶら下がっている。先代の写真があったり、これらをあれこれと見ているだけでもなかなか楽しい店内だ。

実家である『天賞酒造』は1804年(文化元年)創業の歴史ある蔵元。

明治41年、皇太子嘉仁親王(大正天皇)の仙台行啓の折り、蔵の酒をお買上げ頂いたことを記念し『天賞』と改名。

ただ、あの3.11の震災の後営業を休止することになる。天賞や獨眼龍政宗、あまさけなどは、『株式会社中勇酒造店』が引継ぐことになる。

メニュー

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

ここでは自動的にお通しが3品出てくる。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

どれも美味しそうだ。そして実際に美味しい。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

こういう感じは悪くない。何かすごく感動するとか言うことではない。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

でも普通に美味しい。この普通に美味しいがなかなか大事なのだ。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

ビールの後はやはり日本酒。酒は当然『天賞』となる。女将さんが酒壷の木蓋を開け、そこから杓子で酒をすくう。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

漏斗を使って一合徳利に注ぎ入れる。銅壷で少し暖まる。そして徳利は木杓子に乗せられる。そして目の前に差し出される。楽しいパフォーマンスだ。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

畑のキャビアと言われている『とんぶり』。古来、民間療法で用いる生薬の一つで、利尿と強壮を主な薬効とされていた。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

『とんぶり』の名前の由来は、ぶりこ=ハタハタの卵に似た唐伝来のものを意味する。

『とうぶりこ(唐ぶりこ、唐鰤子)』が省略されて転訛したものとする説が有力らしい。

『なまこ』。なまこは種類が色々あって、世界に約1500種くらい存在しているみたいだ。

仙台「郷土酒亭 元祖 炉ばた」

日本にはそのうち200種ほどがいるらしい。その中でも食用になるのは約30種類位だそうだ。

とんぶりのプチプチとなまこのコリコリ。これだけでどちらもお酒が進む。

まとめ

と言うわけで、炉ばた発祥のお店、雰囲気も良いし、料理も美味しいし、お酒は種類はないが、徳利が木杓子で供されるのは楽しい。

仙台では随分と色々なお店に行っているが、このお店は非常に印象深いものがある。行ったことがない方は1度是非どうぞ。

「郷土酒亭 元祖 炉ばた」基本情報

さて、最後に「郷土酒亭 元祖 炉ばた」の基本情報を。

住所:宮城県仙台市青葉区国分町2丁目10−28

電話:022-266-0897

営業時間:17:00~23:00

     日曜休

その他:全面喫煙可

    予約可

    カード不可

おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)

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