西郷隆盛生誕180周年で生まれた芋焼酎「西郷庵」

芋焼酎「西郷庵」

東酒造

平成19年(2007年)、鹿児島の生んだ英傑・西郷隆盛の生誕180周年にあたり、それを記念して発売された芋焼酎が今回の『西郷庵』だ。

芋焼酎「西郷庵」

つくったのは『東酒造』。鹿児島市のほぼ中央、小松原で大正4年に創業した蔵だ。間近に錦江湾が広がり雄大な桜島が望める。

焼酎の仕込み水には、シラス台地で濾過された超軟水の『大重谷原水』が使われ、どの銘柄も最低1年間は熟成させてから出荷するこだわりを持っている。

ここの最大の特徴は、卓越したブレンド技術。複数の原酒からそれぞれの長所を最高に引き出す技術は、焼酎を知り尽くした職人達の技である。

西郷庵

芋焼酎「西郷庵」

この『西郷庵』も焼酎用の黒麹で造ったモロミに清酒造りで使われる『黄麹』を追麹しており、口に含んだ後の余韻がいつまでも残る味わいでとても美味しい。

ネットでは買えるだろうが、基本鹿児島県と山形県だけの限定販売商品なのだそうだ。

外箱には西郷隆盛の漢詩がある。

一貫唯唯諾   従来鉄石肝

貧居生傑士   勲業顕多難

耐雪梅花麗   経霜紅葉丹

如能識天意   豈敢自謀安

これは、西郷隆盛の妹コトの三男である市来政直がアメリカ留学をするに当たって、激励のために贈った詩だ。

外甥政直に示す( がいせいまさなおにしめす)

一貫唯唯の諾(いっかんいいのだく)  

従来鉄石の肝(じゅうらいてっせきのかん)

貧居傑士を生み(ひんきょけっしをうみ)

勲業多難に顕わる(くんぎょうたなんにあらわる)

雪に耐えて梅花麗しく(ゆきにたえてばいかうるわしく)

霜を経て楓葉丹し(しもをへてふうようあかし)

如し能く天意を識らば(もしよくてんいをしらば)

豈敢て自から安きを謀らむや(あにあえてみずからやすきをはからんや)

漢詩なんて普段は触れる機会など殆どないのだが、これはなかなか素晴らしい。

いいですよと一旦承諾した以上はそれを

貫き通さなくてはならず

魂はそれまで培ってきた鉄や石の様な堅い

信念のもとに有らねばならない。

貧しき家より傑出した人物が生まれ

誇り高き事業は多難の後、世に顕れる。

梅の花は雪に耐えてこそ美しく咲き、

楓の花は霜をしのいで真っ赤に紅葉する。

艱難辛苦が天の示す試練であると知れば

敢えて自ら安易な術を策する事が出来ようか。

ラベル

非常にシンプルなラベルである。真ん中に筆文字で『西郷庵』と書かれており、右上には『本格芋焼酎』、左下には隆盛の『隆』の落款に『Saigo Club』。

首の所には金の楕円形のシール。黒千代香がデザインされた薩摩焼酎のロゴの下に『薩摩焼酎』と『本格いも焼酎』の文字。

データ

では最後に『西郷庵』の基本情報。

産地:鹿児島県
蔵元:東酒造
原料:さつまいも/米麹
品種:黄金千貫
麹菌:黒麹+黄麹
アルコール度:25度

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