本日は福島県郡山市から、いかにも正しい昭和の大衆酒場と言った風情の一軒の酒場をご紹介。
郡山「金寶酒蔵」
このお店は『金寶酒造仁井田本家』のお酒が全種類置いてある酒場である。
金寶酒造仁井田本家
この金寶酒造仁井田本家は1711年から続く歴史ある酒蔵。蔵のある場所は、昔『金沢村』と言っていた。
その頃の仁井田本家の屋号は『寶来屋』。やがて『金沢の寶来屋』の『金』と『寶』から『金寶』としたらしい。
300年余り『酒は健康に良い飲み物でなければならない』という信条代々受け継ぎ、日本で最初の自然酒を醸したと言う。そして現在は十八代目。
アクセス
場所はJR郡山駅から歩いて2分程度と言う非常にアクセスの良い場所にあるのが嬉しい。なので郡山に行くとついつい寄ってしまうお店なのだ。
外観・店内
外観はかなりくたびれた建物で、『金寶酒寶』の看板が逆に映える。入口も当然年季の入った渋い感じ。
暖簾は藍の5枚暖簾で、端に『酒蔵』、真ん中に『金寶』の文字が白く染め抜かれている。
蛍光灯の白い灯が漏れる古い引き戸を開けるまでは店内の様子は全くわからないのだが、きちんとした入口は良さそうだぞと充分に感じさせるものがある。
中に入るとすぐにかなりチープなコの字カウンター。まさに昭和の大衆居酒屋そのものである。常連らしき地元の一人客が静かに呑んでいる。
入って左には座敷席があり、更にコの字カウンターの先にも座敷がある。右手にある古びたショーケースのん中には、だるまや徳利や招き猫が並ぶ。
そして金寶酒造のお酒がそれらと一緒に整然と並べられている。
メニュー
とは言え、最初は習慣的に瓶ビールから始める方も多いだろうが、やはりここでは日本酒が飲みたくなるというものだ。
メニューはもちろん豊富である。いかにも大衆酒場のそれではあるが、大衆酒場だからそれで良いのだ。
ここではお通しは出てこない。食べたくもないものが出てくるくらいならこの方が良い。
何を注文するか?やはりここでは『肉豆腐』とか、
『もつ煮込み』あたりは必須だろう。
出てくる器がなかなか良いのだ。
他にも、例えば『らっきょう』とか、
『しらすおろし』とか、
『なんこつ』に、
『つくね』とか、
どれも普通に美味しく、そして安い。
お酒は枡に入ったコップが置かれ、大きな徳利で注いでくれる熱燗が良い。
升には『金寶自然酒』の焼印。これが呑み易い。すっと呑めるから進む進む。
冷酒なら、仁井田本家代々の蔵元がその名を受け継いでいる一文字『穏』の純米吟醸。
他にも色々あるのだが、残念ながら720ml瓶なので、ちょっと一人の時は頼めない。量的には飲めなくもないがずっと同じものと言うのもつまらない。
それにそんなに長居するような場所でもない。もちろん落ち着かないとかではない。むしろ心地良く落ち着いて飲める。
ただサクッと飲んで食べて帰るくらいがちょうど良いのだ。
まとめ
ボーっと酒を静かに呑む。奥の方では宴会が繰り広げられているけれど、カウンターは案外と静かなもんだ。そして出入りが思った以上に早い。
皆1・2杯程度。つまみも多くて2品ほどでおしまい。きっと毎日のように来る方も多いんだろう。
毎日少しだけ飲んで、ちょっとつまんで、それでさっさと帰る。お財布にも心にも優しい。そんなお店だ。
「金寶酒蔵」基本情報
さて、最後に「金寶酒造」の基本情報を。
住所:福島県郡山市駅前1丁目9−9
TEL:024-933-2959
営業時間:16:30~22:30
第2・4土曜日日曜・祭日
その他:全面喫煙可
カード不可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
Comment