大分へ
博多から大分へ向かうのは特急『ソニック』。883系はメタリックブルーの特徴的な車両だ。
ソニック883系
JR九州のアプリから予約すると指定席特急券+乗車券の普通価格以下でグリーン車に乗れてしまう。グリーン車は運転席に向かって左側が1席、右側が2席の革張りのシート。
左だと別府から大分への途中海が見えるので左側が良い。博多から乗る場合、小倉で進行方向が逆になるので座席の向きを変える必要がある。小倉以降はグリーン車が先頭だ。
運転席と座席の間にはベンチがあるフリースペースになっている。ここに座ると前方の景色を楽しむことも出来る。
大分駅
そんなソニックに乗って大分駅に到着すると、元々『あそぼーい』という列車の為のキャラクタ―『あそくろえもん』こと『くろちゃん』があちこちに。
トイレの入口は温泉県とも言える大分だけにお風呂の暖簾のようになっている。中に入ると、またまた『くろちゃん』だらけ。
この駅のコンコースは、いつ見てもなかなか立派な雰囲気だ。天井のつくりなどは特に良い。
改札を出て左に行くと府内中央口だ。入口は城門をモチーフにしてつくられたそうだ。
そういえば夜に大分城址公園のところを通ると、府内城の天守の骨格を金属製パイプで再現したイルミネーションが。
なかなかキレイではあったが何とも微妙な企画ではある。来年の2月くらいまで見られるようなので機会があったらどうぞ。
コンコースと駅を出たところには鶏の番と金の卵。これは大分が九州7県の中で最も東に位置していて一番最初に朝日が昇るかららしい。
こつこつ庵
行き方
改札を抜けて左に向かい、府内中央口を出て中央通りを進んでいく。赤レンガの建物が見えるので手前を右、ふないアクアパークをを過ぎて左、最初を右に曲がって歩く。
やがて左手に数々のレトロな看板に被われた、嫌でも目立つ存在感抜群の建物が見えてくる。それが今回ご紹介する『こつこつ庵』だ。
お店の雰囲気
外観も個性的だが、店内もまたスゴイ。レトロな看板は外観同様にあちこちに。それだけではない。色々なものがぶら下がっていたり所狭しと置かれている。
創業から40年は経っているようで、つくられたレトロ感ではなく、本物の積み重ねられたレトロ感なのが良い。こういう店内は好みの分かれるところだろうが決して悪くない。
それらが混然一体となって独特のレトロな雰囲気を作り出している。店内は入口を入ると玄関スペースみたいな空間があり、更に中に入るとお店となる。
すぐ右には階段があり二階も座敷になっているのだろう。右はレジ。正面右も座敷になっていて。左にこじんまりとした良い色のカウンター、さらに奥がテーブル席と結構広い。
ただカウンター席はほぼ独立した空間になっているので、グループ客がどれだけ入ったとしても周りはまず気にならない。よって一人でも心地良く飲める。
カウンターのうしろのランプなどが沢山ぶら下がっているスペースには、ビールサーバーとかがあり、席との間は非常に狭くなっている。
その間をかなり頻繁に店員さんが行き来するので若干落ち着かない感はあるが、それも大して気にならない。
カウンターの前にはその中身を提供することはないだろうと思われる古い酒瓶がずらりと並んでいる。
そして、板にお品書きが書かれたものが沢山ぶら下がっているが、これはダミー。『99.9 -刑事専門弁護士-』の『アフロ居酒屋いとこんち』ばりの実在しない面白メニュー。
お通し
さて、ここで食べるべきは沢山ある。最初にお通しが出てくるのだが、いつもとても美味しい。やはりお通しが良くないとダメだ。
豊後サバと豊後アジの刺身
まず外せないのが『豊後サバと豊後アジの刺身』だろう。メニューはそれぞれなのだが、頼むと半分づつにしてくれて両方味わうことが出来る。
あくまでも『豊後サバ・アジ』であって、『関サバ・アジ』ではない。今のところ何回か伺ったが、『関サバ・アジ』にはここではお目に掛っていない。
豊後サバ・アジと関サバ・アジの違い
ところで、この『豊後』と『関』の二つはいったい何が違うのか?
大分県佐賀関冲の豊後水道は太平洋の暖かい海水と、冷たくて栄養分がたっぷりの瀬戸内海の海水が混ざり合うところだ。
そこで栄養分豊富なえさを食べている上に、更に気伏に富んだ急流域で鍛えられて身が引き締まる。だからここで獲れる魚は美味しいに決まっている。
そういう意味では『豊後サバ』だって美味しいに決まっている。
ただ『関サバ・アジ』は、大分県漁協佐賀関の組合員が豊後水道で1尾づつ『1本釣り』され、生簀で活かされて出荷時間に合わせて活け締めにされる。
だから魚に傷がつかないしストレスがかからないし酸欠にもならないし、旨味となるしもふり脂肪分も失われにくい。
『豊後サバ・アジ』は豊後水道で水揚げされたもので、漁法が違ったり、佐賀関支店組合員ではない漁師が獲ったものだからやはり違いはある。
それでも生で食べられるわけだから鮮度は当然高いわけで、鮮度が高ければそれは美味いに決まっている。
と言うわけで『豊後サバ・アジ』であろうが『関サバ・アジ』であろうが、やはりそれは美味しくないわけがないのだ。
メニューいろいろ
他にも必ずこれは食べたい!というものがいくつもあるのだが、例えば『とり天』などはやはり間違いがない。
からしを酢醤油に溶かして食べると美味しさ倍増。この食べ方が一般的らしい。ボリュームがあるように見えて柔らかく美味しいのでペロリと平らげることが出来る。
『キラスまめし』も良い。大分の郷土料理の一つで、『キラス』は『おから』のこと、『まめし』は『まぶす』こと。
酢締めした魚の身におからを和えたもので、おからの甘さと酢締めの魚の酸味が絶妙で非常に美味しい。
『だんご汁』は〆にどうぞ。手ごねされた小麦粉をのばしただんごに、里芋や椎茸や地鶏肉等を合わせた味噌仕立ての汁。
途中で『かぼす』を絞って食べると、また違う味になって二度美味しい。とても優しい味で、最後はやはりこれを食べて締めたいところだ。
焼酎いろいろ
最初はビールだが、やはり焼酎を飲みたいところ。最初は麦の香りとコクの深い麦焼酎『銀座のすずめ』なんかが良い。
ここは焼酎の揃えが半端ない。棚にズラリと並んでいるのは殆ど大分のものだが、それ以外にも色々。ロックは氷少な目で焼酎を目一杯入れてくれるのは嬉しい。価格は350円から。
あとは『泰明』もおススメ。『兼八』に近いものを感じる。麦の香ばしさが味わえ、非常にしっかりとした味。あっさりしたのが好きな方はすずめもこれもちょっと違うかもしれない。
まとめ
大分に行くとほぼここに行ってしまう。焼酎の品揃えが素晴らしいこと、そして郷土料理も居酒屋料理もあってどれも美味しいこと、もうそれだけで充分満足。
「こつこつ庵」基本情報
最後に「こつこつ庵」の基本情報。
住所:大分県大分市府内町3-8-19
電話:050-5872-5312
営業時間:11:30~14:30
17:00~22:30(L.O.22:00)
日曜休 翌月曜が祝日の時は月曜休み(日曜は営業)
その他:全面喫煙可
カード可
予約可
こつこつ庵 (郷土料理(その他) / 大分駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
Comment