仙台で失敗しないおひとりさま「源氏」

仙台「源氏」

祝100記事目!

多分、この記事が100個目になる。

自分で祝っておこう。

なにせ珍しく長続きしている。

それで、ここにアップされている記事の多くは殆ど最近のものなのだが、たまには少し前に伺った場所のことも書いておきたい。なかなか行けないが必ずまた行きたいお店たち。

というわけで、今回はその中から随分足しげく通った仙台のお店を紹介したい。

仙台の横丁

文化横丁

宮城県の仙台といえば多くの横丁がある。

アーチ看板の撤去が最近決まった『虎屋横丁』、戦後の復興区画整理で出来た『稲荷小路』、昭和21年にバラックからスタートした『東一市場』、平成12年3月に中央市場から名称変更した『壱弐参横丁』などなど。

そんな横丁の一つが『ぶんよこ』の愛称で知られる『文化横丁』である。元々は大正13年に誕生した『東百軒店街』が原型。

翌年に活動写真館『文化キネマ』が出来たことから、『文化横丁』と呼ばれるようになったそうだ。今ではもうその横丁の名前の由来である『文化キネマ』は無くなってしまった。

仙台「源氏」

仙台「源氏」

そんな文化横丁には今も50を超える飲食店が軒を連ねている。さほど広くない道を歩いていると両脇や更にその奥に様々なお店が並んでいる。

別世界への路地

その中の1軒が『源氏』だ。但し通りには面していない。

仙台「源氏」

街路灯の下に『源氏』の看板が見えたらその下にある細い路地を中に入っていく。

仙台「源氏」

正面にも『源氏』の看板。

仙台「源氏」

突き当たったら左の更に細い路地。

仙台「源氏」

すれ違えるかどうかの幅しかない。何だかまるで別世界へと繋がる道のようだ。お店までのほんの少しのこの距離が、何度来てもわくわくとさせてくれるのだ。

店内

仙台「源氏」

斜めに掛けられている縄暖簾をくぐる。

仙台「源氏」

年季の入ったすりガラスと格子の木戸をガラガラと開ける。

仙台「源氏」

そこは確かに別世界のようだ。

仙台「源氏」

時間を止めてしまったかのような静謐な空間。

仙台「源氏」

いつもと変わらない薄暗い店内。

仙台「源氏」

ここは昔は米蔵だったそうだ。

仙台「源氏」

だからなのだろう、床は石畳で柱が多い。

仙台「源氏」

杉の一枚板を使ったコの字型のカウンター。

仙台「源氏」

昭和25年の開店以来磨かれ続けたその表面は、沢山のお酒も染み込んでいるだろう。何とも言えない良い色合いで木目が緩く浮かび上がっている。

仙台「源氏」

跨いで座る横板1枚のベンチ椅子。客の尻で摺り減ったのだろうか。緩やかにカーブしている。これが案外座り心地が良いのだ。

仙台「源氏」

そして古風な船形天井。基本的には大きな声で話す客は居ない。場を弁えているからだ。ただ時々その雰囲気を乱すような客が居る。

仙台「源氏」

浮いていることに気付かないのだから、場を弁えるなどということなんて出来るわけがない。こればかりは仕方がないのかもしれないが…。

一人四杯までルール

仙台「源氏」

瓶ビールから始めても良し、お酒から始めても良し。但し、お酒の種類は少ない。その時々で違う銘柄なので充分だ。

それに四杯までしか飲めないはずだ。キレイに飲んで帰りなさいと言うことか。

ここはお通しがお酒と共に一品付いてくる。それがお酒の価格になっている。知らない人達は一杯900円とか1,000円って高いなとなるだろうが聞けば納得する。

仙台「源氏」

もちろん他にも色々とメニューはあるので、お腹の減り具合で調節して下さい。

こんな感じで飲んで食べる

仙台「源氏」

ベンチ椅子に腰掛けると、女将さんが「いらっしゃいませ。何に致しましょう?」と聞いて下さる。白い割烹着の上品な方だ。

仙台「源氏」

壁に貼られた数種類の中から選んで注文をする。目の前にキレイなグラスが置かれる。12角型の厚手の硝子の袴付き。いつ見てもキレイだ。これで飲めばどんなお酒も美味しさが増す。

仙台「源氏」

最初のお酒と共に出されるのは、開店以来続くぬか床で漬けた歴史が詰まった『漬物』。

仙台「源氏」

それとその時々のもう一品。

仙台「源氏」

薄味で美味しい。

仙台「源氏」

付いてくるお通し以外では『のどぐろ一夜干し』などを頼んでみたい。

仙台「源氏」

小さいが良い味でお酒が進む。

仙台「源氏」

二杯目と共に今度は『豆腐』が出てくる。

仙台「源氏」

木綿だが滑らかさがある。大豆の味が濃厚だ。鰹節と葱と海苔が掛かっている。これも普通に美味しい。

仙台「源氏」

三杯目と共に今度は『刺身』が出てくる。少量ながらこれもいつも美味しい。考えたら本当に少ない。ただ1人でゆっくり飲むのならこれくらいがちょうど良い。

仙台「源氏」

四杯目は『おでん』にするか、『みそ汁』にするかを聞かれる。〆の料理ということだ。この四杯ルールを時々しらずに注文する面々も居るが、ゼッタイにダメと言う訳でもなさそうだ。

仙台「源氏」

ただここが一軒目にしろ二件目にしろ、サッと飲んでサッと帰るのが良いだろう。実際一人で来てそういう飲み方をする方々も多い。

まとめ

この雰囲気は日本全国探してもそうはないだろう。ゼッタイに失ってはいけない酒場だ。

女将さんの存在は大きく、いつかこの方がお店に立たない日がくるに違いないが、そうなると随分と雰囲気は変わるかもしれない。

それでも、更にその先までずっと続いていってほしい場所だ。料理がとてつもなく美味しいとか、お酒の種類が豊富とかではない。そんなことは超越しているお店なのだ。

もしも訪れたことがない方が居たら、そして仙台にもしも居たら、ゼッタイに行くべき名店中の名店と断言する。

仙台「源氏」基本情報

最後に「源氏」の基本情報。

住所:宮城県仙台市青葉区一番町2丁目4−8

電話:022-222-8485

営業時間:16:30~22:00

     日曜・祝日休

その他:完全禁煙(入口付近に灰皿あり)

    予約不可

    カード不可

おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)

源氏居酒屋 / 青葉通一番町駅あおば通駅広瀬通駅
夜総合点★★★★ 4.5

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