古くから港町として栄えた青森県八戸市は、漁から戻った海の男達をもてなす飲食店が発達してきた。
中心街の横丁の始まりは、終戦後に遡る。元々屋敷町だったところに、戦地引揚者の為の市場を開設、映画館が出来ることで周辺飲食街が発展していくことになる。
そして今ではその中心街にはいくつもの横丁がある。
『たぬき横丁』に始まり、『長横町れんさ街』、『ロー丁れんさ街』、『ハーモニカ横町』、『八戸昭和通り』、『五番街』、『花小路』、『みろく横丁』…。
みろく横丁
今回はそんな横丁の1つ、『みろく横丁』のお店だ。
2002年に誕生した横丁
『みろく横丁』の歴史と言っても。この横丁、そんなに歴史はない。2002年に東北新幹線が八戸まで伸びたのに合わせてオープンしたので、今年で11年目。
八戸市中心市街地の表通り『三日町』と、裏通りの『六日町』を屋台街で繋いでいて、通りの名前の『三』と『六』から『みろく横丁』 。
三日町側の『おでん市』と六日町側『やぁんせ市』に分かれていて、中間地点に花小路をはさんでいる。
1つのひとつの屋台は非常に狭い。せいぜい3坪ほどで大体8名くらいが肩寄せ合って酒を飲むと言う感じだ。そして屋台とは言っても小さな建物の中。
そんなお店が狭い路地の両側にずらりと30軒弱並んでいるのはとても楽しい。ただ、どこに入れば良いのか?当然迷うところ。
八戸「美味」
そんな時にお勧めしたいのが今回の『海の幸 美味』。『美味』は『みみ』と読む。『びみ』ではない。
初めて訪れたきっかけは、近くの『ばんや』が臨時休業だったのでフラフラしていて見つけたのだった。
この最初に行った時とその後でお店の場所が変わったりしている。ちなみに、上の写真は最初に伺った時の店舗。
他のお店も以前あった場所とは違ったり、一度営業してい時期があって、その後に改めて復活したなんて言うお店もある。
アクセス
新幹線八戸駅からタクシーで15分ほど、本八戸駅から歩いて10分ほどのところ、
中心街に位置する三日町と六日町を貫いたところにある。
横丁とは言っても、歩行者専用の細い路地の両側にお店が犇めいている。大きさはどれも殆ど同じだ。
外観
L字に引き戸が三枚ずつあってどこからでも入れる。と言うよりも開いている席のところの引き戸を開けて入らないと店内で席の後ろを通るには狭いのだ。
引き戸の上にはキリン一番搾りの黄色い提灯がズラリと並んでいる。看板は白地に緑で『美味』。
引き戸の三分の二はガラスで店内が見えるので入れるかどうかが外からでも充分にわかる。
店内
中に入るとL字カウンターになっており、それぞれ4つの椅子で8席。ホワイトボードには惹かれるメニューが多数。
元漁師だった方がこの店のオーナーなので、魚介類を食べるんだったらやはりココ。まず間違いがない。
メニュー
季節で色々だろうが、今までで1番印象に残っているのが『ほや刺し』。ここのものは今まで食べた中で1,2位を争う美味しさ。
養殖ではない。殻の塩水だけで何も足さずに食べる。これがとにかく驚きの美味しさなのだ。
そして 『どんこの刺身』も素晴らしい。『どんこ』はいわゆる『 エゾイソアイナメ 』。肝に醤油を足して溶く。そこに白身の刺身を絡めて食す。まさに至福の時。
この魚、かなり傷み易いらしい。普通なら『どんこ汁』等にして食べる。なのにここでは刺身なのだ。刺身自体にはクセがない。
要するに淡白な味なのだが、肝醤油と共に食せばもうこれは絶品。この肝だけでも本当に美味しい。
あとは『あんこうの刺身』。これも肝と共に。刺身はもちもちしている。かすかに甘みがある。肝は『どんこ』よりも濃厚な感じ。
そして、『たこの白子』。とろける美味しさ。まったりとしていてクリーミー。まるでチーズのようだ。
何種類かを少しずつと言うのなら『刺身の盛り合わせ』もある。
これも当然美味しいとしか言いようがない。
お酒は日本酒が色々あるのでお好きなものをどうぞ。
でもまあ青森の地酒と共に海の幸を頂くのが正解だろう。
まとめ
とにかく珍しいものも含めて、まさに『海の幸』が目白押しで本当に素晴らしい。 そこに日本酒色々。満足度はかなり高いに違いない。
「美味」基本情報
最後に「美味」の基本情報。
住所:青森県八戸市六日町10
電話:070-6625-2208
営業時間:17:30~26:00
月2回日曜日休
その他:全面喫煙可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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