アルベール・ティボーデが出てきちゃう『文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生』

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

アリサワ酒造と文佳人

アリサワ酒蔵 - Google マイマップ
アリサワ酒蔵

創業明治10年(1877)の高知県香美市土佐山田町にある酒蔵、『アリサワ酒蔵』。

そのアリサワ酒蔵の代表的な銘柄が『文佳人』だ。

この『文佳人』という名前は、明治の末から続いているもので、手紙や、文や詩歌、広くは学問など、あらゆる文の佳人=美人という意味で名づけられている。

その文の佳人=美人の元々のモデルは、江戸時代初期に目覚ましい勢いで治水工事や新田開発・港湾整備を行った土佐藩執政の野中兼山の娘。

漢文を始め学問に優れた教養人で貧しい人の為に薬をつくり医療を行い、その生涯を全うした『お婉』という人物で、蔵の二代目がこのお婉を称えて酒名にしたのだそうだ。

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

そんな文佳人の中で、新酒の時期だけ数量限定で出荷される、しぼりたてのおりがらみ生酒が『文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生』だ。

リズール(liseur)

ちなみに『リズール(liseur)』とは、フランス語で『精読者・読書人』という意味。

『文学というものが仮の娯楽としてではなく本質的な目的として実在する世界、すなわち人間の他の諸種の人生的目標と同じ深さをもって全人間をとらえうるものとして存在する領域において選ばれている人たち』。

フランスの文芸評論家アルベール・ティボーデの『小説の美学(Le Liseur de Romans)』に出てくる。

同じような言葉に『レクトゥール lecteur』というものがある。

こちらは普通の読者、『小説に娯楽、清涼剤、日々の生活のちょっとした休息、そういうものしか求めない。この人たちは忘れっぽく、その読書は絶えず新しいものに走り、自分の生活の素材や本質には大して影響しない人たち』だね。

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

この『リズール(liseur)』を付けたのは、ただ気持ちよく酔うだけではなく、深く味わう楽しみを知る人に愛飲される酒でありたいという想いが込められているようだ。

特別純米おりがらみ生

ところで今回のお酒は『特別純米おりがらみ生』。

精米歩合は55%だけれど、貯蔵前も出荷前も1度も加熱処理をしていない。

それと、もろみ(発酵中の液体)を絞った後のおり(細かくなったお米や酵母などの小さいな固形物)が沈殿した部分を混ぜた『おりがらみ』の活性生酒。

よって瓶の中ではまだ酵母や酵素が生きていて発酵が続いている。

口当たりには微発泡感があり、シャープで辛口だけれど、おりによるまろやかさと上品な旨みのあるお酒になっている。

ラベル

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

首のところには、栞にでもなりそうなブルーの短冊がかけられている。

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

ラベルはよくあるタイプとは異なり、横に長い1枚のラベルだけで完結しており、よって、データなどが載っている裏ラベルはない。

藍色の地に白抜きで横に『文佳人』の大きな文字。

『佳』と『人』の間に縦に『特別純米』、『佳』の下に『リズール』。

更にその下には『bunkajin liseur』。

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

『文』の字に左下には『文佳人』の落款がある。

文佳人 特別純米 リズール おりがらみ生

左端には酒データが書かれている。

データ

産地高知県容量1800ml
蔵元アリサワ酒造日本酒度非公開
度数16.5度酸度非公開
精米歩合55%アミノ酸度非公開
原料米国産米酵母非公開

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