今まで行った中で最も古い居酒屋であろうお店が名古屋にある『大甚本店』である。
1907年(明治40年)創業の老舗
もちろん建物はそのままではないが、創業は1907年(明治40年)の老舗である。元々の建物は終戦間際の空襲で焼けてしまったそうだ。
そうは言っても、今の建物も1954年(昭和29年)の建てられたものだそうで、既に65年も経っているのだ。
アクセス
大甚本店は名古屋のビジネス街・伏見にある。広小路伏見の大きな交差点にある。名古屋市営地下鉄伏見駅7番出口を出たらすぐ。
伏見駅は東山線と鶴舞線が乗り入れていて、JR名古屋駅からでも栄からでも一駅なので便利な場所と言って良いだろう。
名古屋駅から地下鉄で5分で着く。タクシーで行っても、大通りに面しているので降りたら横断歩道を渡ればそこがもうお店だ。
外観
お店は三階建ての細い建物である。上には大きな電飾看板がある『大甚本店』の文字と共に『酒王 加茂鶴』の文字と折り鶴2羽。
見た目は黒と言うか濃い焦げ茶の木の板で覆われており渋い。 正面向かって右には庇の下に大きな木彫りの『大甚』の看板。下には植木が並べられている。
左手が入口で、『酒』と大きく染め抜かれた5枚暖簾が目印だ。左の1枚には控えめに『大甚本店』。
ちなみに『本店』と言うのだから他にもお店があるのか?と思ったが、『大甚中店』が1分ほどのところにある。
システムは同じみたいだが、中店は比較的空いている模様。まあどうせなら本店で飲みたいと言うのは当たり前で、入れなかったらこちらと言った感じだろうか。
店内
さて、店内に入ると独特の雰囲気が漂っている。入ってすぐ右に階段があって2階もある。テーブルは檜の一枚板、壁板や階段は欅だろう。歴史を積み重ねた良い色になっている。
テーブル1つには8人ほどが座れる。椅子は小さめだ。椅子の間隔もテーブルの間隔もかなり狭いので、知らない方との距離が前も後も隣も非常に近い。
この相席状態が苦手な方はここには合わないかもしれない。ただ全体的に大騒ぎをしている輩などは見当たらない。おひとりさまでも実は大丈夫だ。
実際、女性数人やサラリーマンのグループや年配の夫婦であろう方などなどに紛れて一人客も意外に居る。相席でもそれが普通な感じで居心地が良い。
店内の様子は65年前とさほど変わらないそうで、それ故、確かにあちこちに昔っぽさが溢れており、そんなレトロな雰囲気が妙に落ち着く。
席はテーブル席の他に二階の窓に面したカウンター席(二人掛け×2)とあとは座敷がある。
一応禁煙席と言う名の隔離されていないテーブルもあるが、隣のテーブルで吸う方が居れば煙は流れてくるので、禁煙席とは言い難い。
なので煙草の煙は無理と言う方はちょっと辛いのかもしれないが、最近は電子タバコも多いし、吸わない人も増えているので、その時の状況で随分煙の量は違うだろう。
入って左には竈がある。
釜で湯を湧かして、その中に徳利と猪口を入れておくと言うスタイルなのだ。
この風景がなかなか素晴らしい。
更にその奥にはテーブルの上に沢山の小皿料理が山積み状態(写真は既に少なってしまった状態だが)。奥の棚にも色々な小皿。更に奥には刺身などが入ったショーケースがある。
メニュー
ここでは、そのテーブルの上に置かれた手づくりの惣菜をお盆に乗せて自分で選んで席に持ってくるスタイルなのだ。
これがなかなか楽しい。種類も色々あって、普通に美味しくどれもお酒に合う。一皿300円くらいからと言うリーズナブルさもまた良い。
お酒は広島のお酒『加茂鶴』の樽酒だ。木の香りが微かにしてとにかく美味しい。徳利も味がある。
お酒はビールとレモン酎ハイとハイボールと、そして加茂鶴と菊政宗。種類は少ないが、こういうお店はそういうことなのだ。『鍵屋』みたいなものだ。
まとめ
なかなか名古屋に行く機会もなく、1度は訪れてみたいお店だったが、予想に違わず素晴らしいお店であった。
創業明治40年、112年も続く酒場は、雰囲気も良く美味しくお酒が飲める居心地がとても良い。ゆっくりじっくり静かに飲む所ではないが、それもまた良いのだ。
基本情報
それでは最後に『大甚本店』基本情報
住所:愛知県名古屋市中区栄1丁目5−6
電話:052-231-1909
営業時間:[月~金]16:00~21:00(L.O)
[土]16:00~20:00(L.O)
日曜・祝日休み
その他:予約可
一応分煙だが殆どの席で喫煙可
カード不可
おひとりさま居心地レベル:★★★★(5★満点)
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