北九州市小倉は実は原爆の投下予定地だったという話を聞いたことがある。もちろん結局原爆は投下されなかった。そして第二目標であった長崎に投下されたのだ。
もちろん最初は小倉に投下すべくB29はその上空を飛んでいたらしい。ただ、日本側の激しい高射砲の弾幕とその煙幕で目標が捉えられなかったらしい。
結局3回トライしたが全て失敗に終わり、第二目標に移り一瞬の雲の切れ目で目視出来た長崎に手動投下したと言う話だ。
昭和20(1945)年8月9日午前11時2分のことだった。それは広島に投下されてから僅か三日後のことだった。
小倉「酒房 武蔵」
それから8年の月日が経った頃、その小倉に一軒の酒場が生まれた。昭和28年創業の老舗、『酒房 武蔵』である。
アクセス
JR小倉駅からは歩いて数分のアクセスの良さ。北九州市小倉で一番賑わうアーケードである魚町銀店街の中にそのお店がある。
外観・店内
お店の白い壁には当然店名である『酒房 武蔵』の看板があるのだが、それと同じくらいの大きさで、『大関』、『月桂冠』、『千福』、『菊政宗』、『サッポロビール』などの看板も。
いかにも昭和の大衆酒場といった雰囲気なのだが、それは店内も同様なのである。紺色の暖簾をくぐって引き戸を開けて中に入ると意外やテーブル席はなくカウンター席のみ。
ただ、どうやら2階にも席があるようで、グループ客など人数が多いと2階に通されている。よって、1階はおひとりさまか多くて2.3人くらいまでの客で埋まっている。
カウンター越しの正面の壁には酒の肴があれこれ書かれた黒い木の札が掛けられている。棚には焼酎や日本酒の一升瓶が並ぶ。
別に見た感じがそこまで似ているわけではないのだが何となく今はもう無き盛岡の『とらや』を思い出す雰囲気だ。
メニュー
昭和の大衆酒場といった雰囲気だけではなく、価格もまさに昭和の大衆酒場価格。例えば、スーパードライの生ビールが何と300円。中瓶だって350円。
料理なら、『串カツ』が250円。これが出される際は、串の持ち手が左側にくるように置かれる。たまたまではなく敢えてそうしているらしい。
ここの串カツは結構大きくて重い。なので左手で串を持ち、右手の箸と両方でカツを持ち上げながら、もしくは串からはずしながら食べられるようにということだ。
確かに大きくて重くてそして美味しい。ビールと共にこの串カツを食べれば、それだけで充分このお店に来た甲斐があったというものだ。
かつおが全く見えないくらいに玉葱がたっぷりと乗せられた『かつおのたたき』は600円。
他には『はもの湯引き』が500円、『うなぎの蒲焼』が500円、『おばいけ さらし鯨』も500円などなど驚きの価格。何にしてもCPは最高、そして美味しいのだから素晴らしい。
まとめ
と言う訳で、やはりこのお店は小倉を代表する酒場の1つと言えるだろう。決してつくられた昭和感ではなく本物の昭和の大衆酒場が平成も終わろうとしているのに変わらずそこにある。
宿泊場所でもないのに小倉で1度時間をつくるのにはここに行くという理由があるからだ。その理由になるだけのお店なのだ。
小倉「酒房 武蔵」基本情報
さて、最後に「酒房 武蔵」の基本情報を。
住所:福岡県北九州市小倉北区魚町1丁目2−20
電話:093-531-0634
営業時間:16:30~22:00(21:45LO)
日・祝休
その他:全面喫煙可
予約可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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