日本最古の酒蔵は?
ところで、日本酒のもっとも古い酒蔵はどこだかご存じだろうか?
普通は茨城の『須藤本家』と言われている。
正確な創業年は古すぎて不明なんだそうだが、1141年に酒醸造を祈願したお札が残っているみたいで、少なくとも既に880年近い歴史を積み重ねているわけだ。
最古が「須藤本家」というのは間違い?
ただ『最古』というのは本当のところは定かではない。
以前に何処かで読んだことがあるが、『須藤本家』の社長が言うには、『最古の酒蔵は当社ではなく奈良県の酒蔵だ』ということらしい。
まあこのあたりはどれが正解なのかはわからないが、最古かどうか?は別にしてみても、とにかく880年近い歴史はかなりスゴイ。
他の古い酒蔵は?
他の古い酒蔵と言えば秋田の『飛良泉本舗』。創業は1487年(文明19年)、室町時代中期。530年以上、26代にわたって秋田で酒造りを続けている。
兵庫の『剣菱酒造』も1505年創業とこれも510年以上。この須藤本家や飛良泉本舗や剣菱酒造あたりがやはりかなり古い酒蔵になるのだろう。
飛良泉 山廃純米 マル飛 はま矢酵母 ひやおろし
さてそんな何百年もの歴史を持つ酒蔵の一つ『飛良泉本舗』のお酒が今回のラベルだ。
お酒は『飛良泉 山廃純米 マル飛 はま矢酵母 ひやおろし』。
ラベル
ラベルは随分とシンプルなものだ。
深緑の楕円に金色の縁取り。その楕円の中に大きくやはり金の文字で『飛』、その横に小さくやはり金の文字で『良泉』。
大きな『飛』の下には『マルヒ』。そして『「秋田蔵付分離酵母」はま矢酵母』。
瓶の上の方にはただ白に黒い文字でシンプルに『ひやおろし』。
裏側には蔵元コメント、
マル飛シリーズ、ひやおろし。歴史を積み重ねた酵母の野性味ある味わいと、成熟のまろやかさを感じさせる穏やかな味わい。
と書かれている。
秋田蔵付分離酵母
気になるのはやはり『秋田蔵付分離酵母』だ。これは明治15年に建てられた本蔵の上棟式に備えた『破魔矢』から採取された酵母なのだそうだ。
だから『はま矢酵母』なんだな。フムフム。
実はこの酵母は秋田県総合食品研究センターと共同で、県内の酒蔵に古くから住みついている
酵母を採取した一つ。
分離選抜し酒造りに優良であろう酵母を採取した蔵で酒を仕込むという、県をあげての企画のお酒だそうだ。
酵母はこの破魔矢から以外にも、神棚、相撲勧進札、階段、柱、濯棒などなどから見つかったものなどがあって、それぞれ採取した酒蔵だけで使用するようだ。
データ
原料米は美山錦&秋田酒こまち、精米歩合は60%。日本酒度+1、酸度2.2、アミノ酸度1.41、アルコール度数16%、そして酵母は『はま矢酵母』。
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