数多く訪ねたお店の中でもかなり上位に入るお店が秋田にある。居酒屋とは言い難い。美味しい料理とお酒を頂く家とでも言おうか。独特の雰囲気だ。
秋田「酒盃」
それが秋田にある『酒盃』だ。
アクセス
秋田随一の繁華街である川反からも少し離れている。藤田嗣治の『秋田の行事』の縮小レプリカがある秋田駅からだとタクシーで10分程掛かる。
秋田県庁舎や市庁舎に程近くにそのお店がある。
外観・店内
かなり鋭角な三角の大きな屋根の一軒の特徴的な建物である。ビルに入っているとかではなく、その建物丸々が『酒盃』なのである。
引き戸を開けて中に入ると、花が生けられている三和土。
そこで靴を脱ぎ、
黒光りしている板の間に上がる。
予約をしていると、と言うか予約なしにはほぼ入れないが、下足入れに名前が書かれた紙が貼られることになる。なかなか気が利いている。
さらに扉を開けて中に入ると廊下がありその先が店内となる。
廊下には色々なものが飾られているのだが、それがいちいち素敵なのだ。
席のあるところには丸い柱が三本、すっと天井まで伸びている。多分秋田杉なんだろう、丸い柱の下の方には縄が巻き付けられている。
裸電球の柔らかい光がちょうど良い明るさだ。
左手にカウンターがあり、二人掛けのどっしとした木のベンチに座布団が置かれてる席がいくつか。奥と左手は座敷席で戸できちんと仕切られている。
非常にゆったりとした空間である。二階席もあるようだが、残念ながらそちらには入ったことがない。
ちなみに、カウンターの奥は少し下がっているつくりだ。客が座っていても、大将の視線が上からにならないようにということなのかもしれない。
メニュー
雰囲気的には料理の価格が結構高そうなイメージだろうが、決してそんなことはない。
ここでのお楽しみは、古い箱膳に入って出てくる六品のお通しだ。
でももうお通しと言うレベルではない。これだけで随分と飲めてしまう。
『お刺身盛合わせ5種』はちょうど良い量で、新鮮で美味しい。
『比内地鶏の鶏刺し』は笹見、レバー、砂肝、ハツ、キンカン。当然これも美味しい。
『かき柚子みそ焼き』はお酒が進んでしまう濃厚な味が堪らない。
自家製で注文を受けてから作ると言う『おぼろ豆腐』。
『串焼き』もなかなかイケる。
〆には『手打ち蕎麦』が待っている。これもつるりと美味しい。
他にも惹かれるメニューが目白押し。いずれにしても秋田の食材を洗練された技で美味しく肴にしており、何を食べても幸せになれる。
さてお酒である。
このお店で何より楽しいのは日本酒の種類が非常に豊富なことだ。
御猪口も色々ある。
お酒のメニューを眺めているだけでも楽しい。
当然季節で変わっていくが、
常にかなりの一升瓶が冷蔵庫に収められている。
『今月のきき酒三種セット』があったり、『女性向きのお酒』があったり、色々種類を飲めるようにと半合で提供してくれたりする。
他にも『店主厳選・お燗酒(純米酒)』や『熟成酒お燗酒』などもあって、
日本酒好きにはかなり嬉しいお店だ。
更には『当店限定(長期熟成酒)古酒』があったり、
『店主厳選・別格稀少酒』があったり、
こちらはショットで頂ける。
何を飲んで良いかわからなければ色々大将に聞いてみると良い。
親切に色々教えて下さる。
好みを伝えればそれに合ったものもちゃんと出して下さる。
まとめ
やはりこのお店はその辺にある居酒屋とは違っている。料理やお酒もそうだが、店内の雰囲気が素晴らしい。店主の拘りの世界が広がっている感じだ。
とても心地良く過ごせる。申し分のないお店だ。難点はその日に行こうと思っても予約なしではほぼ無理と言うことだ。
ただ一回転目が終わるとその日でも大丈夫なことがある。実際そうだったこともある。でも秋田に行くことがあったら、日にちが決まり次第予約必須だ。
「酒盃」基本情報
最後に「酒盃」の基本情報。
TEL:018-863-1547
住所:秋田県秋田市山王1丁目6−9
営業時間:18:00~23:00
日・月曜休
その他:予約可
カード可
分煙(カウンターはダメ)
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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