山形県最大の都市は当然山形市なのだが、その最大の繁華街と言えば駅から歩いて15~20分程度にある七日町だ。
盛り場は他にも駅前・小姓町があり、大きくはこの三ヶ所に分散している。小姓町は元々遊郭で明治17年に市内の貸座敷が集められその歴史が始まったらしい。
今回はその小姓町でも七日町でもなく山形駅前だ。とは言っても呑み屋が集っているところとは少し違う。
山形「季節料理 居酒屋 伝七」
山形駅東口前の大きな通りを左に少し歩くと六角形の看板が見えてくる。上から『季節料理』そして『居酒屋伝七』、そして『初孫』の文字。
『初孫』
『初孫』は1893年(明治26年)創業の山形は酒田にある『東北銘醸』の酒名。酒田と言えば、江戸時代には『西の堺東の酒田』と謳われ海上交通の要所として栄えた場所。
そこで回船問屋を営んでいた初代佐藤久吉が『金久』の銘柄で世に送り出したのが『東北銘醸』の始まり。昭和初期になって当主に長男が誕生したのを機に『初孫』と改めたようだ。
外観・店内
その看板を目印に左に曲がると赤い提灯が今度は見えてくる。そこには地下への階段があり、下りて行くとお店の扉となる。
入るといきなり玄関で靴を脱いで上がるスタイルだ。座敷に靴を脱いで上がるのとはまた違った感覚で、それだけで何だか解放された気分になる。
さして広い店内ではないが、カウンター席と座敷席があってほぼ満席の時もある。カウンターの端っこの上にはテレビがある。
この酒場のテレビと言うやつは、そんなに見るわけでもないが、それでも一人の時はあればあったで邪魔にはならない。その土地のローカルなニュースなどを見るのはなかなか面白い。
地元の方が何人かで来ているケースも多いが、カウンターは意外に出張のおひとりさまが居るケースがよくある。一人でも居心地はとても良いのだ。
何回か伺っているうちに大将とも女将さん随分と話すようになったが、ちょうど良い距離感を保って下さるのがありがたい。
メニュー
さてここのメニューは単品提供がない。『晩酌コース』と『料理おまかせコース』の2種類があって、どちらにしてもお任せとなる。そしてどちらもボリューム満点。
値段は2,200円で6品位と3,700円で9品位。この『位』というところが何だかアバウトで良かったりする。実際6品では終わらずプラス2品で8品も出てきたこともある。
先ずは飲み物を注文。ここで頼むのは瓶ビール。嬉しいことにサッポロラガービール『赤星』が出てくる。
サッポロビールの前身・開拓使麦酒醸造所から創業翌年の明治10年(1877年)に発売された現存する日本最古のビールブランドだ。
熱処理ビールならではのしっかりとした厚みのある味わい。やはり他の瓶ビールよりも間違いなく美味しいと思っている。
料理は次から次へと登場する。一度に出てくるのはあまり好きではなが、ここではさほど気にならない。例えばこんな感じだ。
当たり前だが、料理の内容はその時で変わる。たまに被ることもあるが、その季節のものを出してくれるのが嬉しい。こんな時もある。
さてこの店の良さと言えば、郷土的な料理が美味しいのももちろん良いのだが、やはり何と言っても日本酒の品揃えが色々あるところ。
お邪魔する度に違った日本酒があって、カウンターの目の前にも銘柄が書かれた短冊が沢山ぶら下がっている。
かなりの品揃えで選ぶのが楽しい。随分色々と飲んだが、その中からいくつか。
まとめ
そんなわけで、料理は単品提供がなくコースのみだが、任せられるお任せでボリュームもあるし美味しい。
そして日本酒の品揃えが山形県のものだけに止まらずあちこちの美味しいお酒が揃っているのも素晴らしい。お店の方の人柄も素晴らしい。良いお店です。
山形「季節料理 居酒屋 伝七」基本情報
さて、最後に「季節料理 居酒屋 伝七」の基本情報を。
住所:山形県山形市幸町5−1 B1F
電話:023-622-4434
営業時間:17:30~22:30
日曜休
その他:全面喫煙可
予約可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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