別府「竹瓦温泉」
湧出量世界第2位を誇る別府温泉、その玄関である別府駅は大分駅から電車に乗って海を眺めているとあっという間に到着する近さだ。
80年前の建物
駅から海の方に歩いていくこと10分、唐破風造の屋根を持った古い建物が突然現れる。元々は明治12年(1879)に建築された竹屋根葺きの浴場。
その後改築されたものが瓦葺きであったことから『竹瓦温泉』と呼ばれるようになったとか。今の建物はちょうど80年前の昭和13年(1938)に建てられたもの。
2004年(平成16年)には登録有形文化財に登録され、2009年(平成21年)には近代化産業遺産に認定されている。
中央は入母屋造の2階建てになっており、1階が休憩所や脱衣所、2階は聞くところによると、床・棚付の畳敷大広間で公民館になっているそうだ。
浴室は建物正面の右手に突出する平屋建、窓が開けっぱなしの男風呂の脱衣スペースは上半身が丸見えだ。女性用は奥にあるので当然そんなことにはならない。
普通浴はナント100円
西側の寄棟造の平屋建は砂風呂になっている。冬なら良いが夏はちょっと厳しいかもしれないが、結構待っている方々も居る。
何ともステキなレトロな雰囲気に誘われて中に入ってみる。すぐ右手が受付になっていて、そこで100円玉1コを出せば、それだけで温泉に入れてしまう。100円とは驚き価格だ。
砂風呂の方は、砂をかける人が必要になるから一気に1,000円となるが、それでもそんなに高いとは言えないだろう。
タオルがなければ320円で買える。『からだもこころもぬくもり三昧』と書かれたタオルは、『またきちょくれ』と書かれたビニールのポーチ付き。
その他、椅子と洗面器は無料、石鹸・シャンプー・リンス・カミソリそれぞれ50円。ヘアーキャップ110円、ドライヤー(7分)100円、コインロッカー100円。
入浴
天井の高いロビーは昭和初期のイメージ。湯上りに寛げるスペースとなっているがここも冷房ではなく扇風機のみで湯上りは汗がなかなか引かない。それでもここは入っておくべき。
風呂場への暖簾をくぐると脱衣所だ。奥に小さな鍵付きロッカーがあって、左手は扉のあるのとないのと二種類の棚。
浴槽は階段を下りたところにある。天井は高い。浴槽自体はそんなに大きくはない。シャワーなどはなく浴槽周りに座り身体や頭を洗い浴槽のお湯を汲んで流すというスタイル。
給水が一か所だけある。夏などはこれで体を少し冷まさないと永遠に服が着られない感じだ。厳選かけ流しのお湯は熱め。ぬる湯好きの方は壁際の水道そばがおすすめだ。
泉質
男湯、女湯で泉質が違っているのがここの特徴。全て源泉、かけ流し。
普通浴:男湯
泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩炭酸水素塩・塩化物泉
泉温:53.8℃
PH値:7.7
微弱黄色・澄明・無味・微弱自然臭
普通浴:女湯
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:52.0℃
PH値:7.7
無色・澄明・無味・微弱自然臭
砂湯
泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩炭酸水素塩・塩化物泉
泉温:52.5℃
PH値:8.1
無色・澄明・無味・微弱自然臭
まとめ
決して現代的な設備が整っているキレイな温泉と言うわけではない。なのでちょっとこういうところは…と言う方が居るかもしれない。
まあそういう方はさて置いて、温泉好きならこのような雰囲気ある建物の中でゆっくりのんびりとお湯に浸かる経験は必ずや思い出に残るだろう。
別府のホテルなら大概は温泉大浴場があるだろうが、わざわざタオルを持ってここに来るだけの価値はある。是非別府に行ったときは訪ねてみて下さい。
ひとっ風呂の後はここへどうぞ。
別府「竹瓦温泉」基本情報
というわけで最後に『竹瓦温泉』の基本情報。
住所:大分県別府市元町16-23
電話:0977-23-1585
営業時間:普通浴6:30~22:30
砂湯8:00~22:30(最終受付21:30)
砂湯利用は浴槽準備や混雑の状況により待つ場合あり(最大8名同時利用可能)
普通浴12月の第3水曜日休
砂湯第3水曜日(祝日の場合は翌日)休
その他:完全禁煙(建物の外のベンチのところに灰皿あり)
予約不可
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