斎彌酒造店
秋田県由利本荘市石脇地区は、藩政時代は旧亀田藩の物流拠点として栄えたところ。
子吉川を下って集められた米や木材などが、石脇港から北前船に積まれ、大阪や江戸に運ばれていた。
そこに明治35年(1902)、初代齋藤彌太郎によって創業されたのが、『齋彌酒造店』だ。
創業当時のままで残る住宅・店舗・蔵などの11棟が国の登録有形文化財に登録されている。
店舗部分は庇を差し出した大規模町屋の構成で、2階は洋風デザインを取り入れた独特の意匠。敷地後方の西蔵・中蔵・東蔵は大規模な土蔵。門・文庫蔵と共に、地域産業の発展を物語る貴重な建造物になっている。
古い建物好きとしては、これは是非一度見に行ってみたいのだが、なかなか行く機会がない。
雪の茅舎 純米吟醸 生酒
そんな斎彌酒造店がつくったお酒の一つが今回の『雪の茅舎 純米吟醸 生酒』になる。以前にも1度出てきていたね。
この蔵では蔵人自ら、そして地元農家さんと契約して、酒造好適米『秋田酒こまち』を栽培している。
酒名の『雪の茅舎』の『茅舎』は茅葺きの家のこと。その茅葺屋根の民家が点在する、雪深いこの蔵のある地の冬景色を表現したお酒なのだ。
フレッシュなしぼりたての新酒はこの時期限定のもの。
華やかで品のある吟醸香、きめ細やかな酸味と香味のバランスがとても良い。
スッキリとした喉越しで非常に呑みやすく、且つ米の旨みもちゃんと感じられる見事なお酒だ。
ラベル
瓶は緑色。そこにキレイな銀の縁取りがされた白いラベル。そしてピンクの箔押しで『雪の茅舎』の文字がキラリと光る。
『の』の下、『舎』の上には『YUKI NO BOSHA SINCE 1902』。
その横、右端上には『純米吟醸』。下には『清酒』。
左下には落款。左上には波打つ黒い四角の中に『COOL 生酒 要冷蔵』。
酒蓋にもちゃんと『雪の茅舎』。
裏のラベルはお酒のデータが記載されている。
昨年も呑んだが、ラベルはデータの日付が違うだけで、あとは同じだ。
データ
産地 | 秋田県 | 容量 | 1800ml |
蔵元 | 斎彌酒造店 | 日本酒度 | +1 |
度数 | 15% | 酸度 | 1.6 |
精米歩合 | 55% | アミノ酸度 | 0.7 |
原料米 | 山田錦、酒こまち | 酵母 | 自家培養酵母 |
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