お酒づくりの最後は滓引き/濾過/火入れ/貯蔵/熟成/割水/瓶詰
日本酒のことをいろいろと知っている方が、選ぶ時も呑む時も楽しいし美味しいはず!
でも、例えば日本酒にまつわる様々な言葉って、何となく聞いたことはあっても、実はそれがどういうことなのか?は意外に知らない方も多いのではないだろうか?
そもそもどうやって日本酒がつくられるのか?だってわからない人も少なくないはず。
だったら、もっと日本酒が楽しく美味しくなるような日本酒豆知識を、誰にでもわかるようにしたい!ということで始めたのが、『知っている方が楽しい!美味しい!誰にでもわかる日本酒豆知識』。
それで、今回は日本酒づくりの最終段階、『滓引き/濾過/火入れ/貯蔵/熟成/割水/瓶詰』だ。
滓引き
上槽をして搾った新酒には細かい米や酵母などの固形物が浮かび、うっすらと濁った状態になる。この固形物が『滓(おり)』だね。
それは放置しておくとやがて沈殿して液体の上部が澄んでくる。
新酒の入ったタンク側面の下方には呑穴という2つの取り出し口があって、滓が沈んで澄んだ部分だけを取り出したい場合は、上の取り出し口(上呑み)から抽出する。これを『滓引き』というんだ。
滓引きする?しない?
逆に敢えて滓を混ぜて取り出したい場合は下の取り出し口(下呑)から抽出する。
通常は、上呑より抽出すが、下呑みから取り出した滓を混ぜたお酒を『おりがらみ』という。『かすみ酒』なんて呼んだりもするよね。
おりがらみの方が透明なものよりもお米の旨味が感じられるはずだ。微発泡を感じるものもあって、通常の日本酒より呑み易いかもしれない。
濾過する?しない?
滓の部分は品質の劣下が早いので、なるべく早目に濾過などの処置をしなくてはならない。滓引き後も細かい沈殿物が残っているので、それらを濾過によって除去しなくてはならないのだ。
濾過することで着色物を除去し無色透明に脱色すると共に、不要な微生物や余分な臭いの基になる成分を取り除くわけだね。
もちろん敢えて濾過しないという選択肢もある。濾過しないことでより複雑な味わいになるのだ。
火入れ
濾過されたお酒にはまだ酵素が残っている。なので酵素の破壊とその他の殺菌する為にお酒を60~65℃に加熱する。これがいわゆる『火入れ』だね。
火入れをしないお酒が『生酒』。火入れの回数とタイミングでいくつかに分かれるけどそれはまた別の機会に。
貯蔵と熟成
火入れが終わると、今度は適切な温度管理の下にタンクで『貯蔵』される。しばらく寝かすことで水とアルコールが調和し、新酒の荒々しい香味がよりまろやかな味わいになる。これが『熟成』。
ただ熟成が過ぎると着色が過剰に進むので、適切な時期を見極めることが重要なのだ。
割水
貯蔵を終えると適切な量の水を加えて市販酒規格のアルコール度 (約15~16%)に薄め香味を調整する。これを『割水』という。
もちろん割水をしないで、そのまま出荷されるものもある。これがいわゆる『原酒』。原酒についてもまた別の機会に。
瓶詰
そして、最後に瓶詰されて、入味、ひびわれ、ごみなど検瓶がされ、ラベルが貼られて出荷となる。
というわけで…
これでやっと日本酒が出荷されるんだね。ここまで結構長い道のりだった。でもそれだけお酒づくりは大変な作業なのだ。
そうやって出来上がったお酒はやがて我々の手許にやってくる。もちろん美味しいと感じるものもあればそうでもないなと思うものだってあるはずだ。そこには当然好みもある。
そういう意味では、好みの、美味しいと感じるお酒選びをしたいものだ。その為にはいろいろと日本酒のことを知った方が楽しく美味しく呑めるわけだ。まあだからこのシリーズなんだけどね。
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この順番で読んでいけば日本酒が出来上がるまでがわかる!
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