秋田市を流れる旭川と言う川沿いに飲食店が立ち並んでいる場所がある。それが秋田随一の繁華街『川反』である。
川反
藩政時代には『川端』だったが、川の東側にあった武家町から見ると川の反対側だったことから、後に『川反』になったと言う話があるが本当だろうか。
ちなみに『川反』と言う住所はない。『秋田市大町』である。明治19年に、通称・俵屋火事で花街と遊郭が分離されて、この辺りは花柳界になったようだ。
秋田「北洲」
さて、その川反にあるお店が今回の『北洲』である。
アクセス
川反まではJR秋田駅から歩けば20分程掛かるだろう。西口遊歩道を抜けて、中央通りをひたすら歩いて行くとやがて川にぶつかる。
左に少し歩いて川に架かった橋を渡る。交差点を左に曲がる。大正七年創業の老舗料亭『濱乃家』を右手に見ながら少し歩くと左手にお店がある。
まあ歩くよりもタクシーで行ってしまった方が早いのだが、意外に歩いても苦にならない。
外観・店内
さてお店の袖看板は当然電気が入っていて白に黒い文字で『北洲』、その下は『うまい酒両関』。
スタンド看板の方は『味自慢 北秋の本場の味きりたんぽ 鰰(はたはた)のしょっつる鍋』の文字。
地場産地応援の店の緑提灯に、濃紺に白く染め抜かれた紋と北洲の文字の暖簾が掛かっている。
隣には『北洲飯店』と言うお店がある。同じ『北洲』だから何かしら関係があるんだろう。いつもお店で聞こうと思っているのに忘れたままになっている。
店に入ると左手にはカウンター、右手には小上がり。奥は広間があってそこからだと多分川が見えるんだろう。意外に広いお店だ。
カウンターにはがっしりした木の椅子に座椅子が更に置かれ、その上に座布団が置かれている。これが案外座り心地が良いのだ。
お店には音楽もなければテレビもない。なのでお客が少ない時などかなり静まり返っている。それがまた良かったりする。
メニュー
ここで食べるべきは外のスタンド看板にもあったように『きりたんぽ鍋』、
そして『しょっつる鍋』だろう。
一人でもどちらもちゃんとハ―フサイズがあるので食べられる。以前両方食べたことがあるが大満足。きりたんぽ鍋は自宅発送も出来る。
鍋は出来上がったものを持って来てくれる。もちろんカセット・コンロで熱々をキープ。身体が本当に温まるので、冬の雪の中の帰り道も大丈夫。歩ける。
そもそもこのお店、お通しからしてかなり美味しいのだ。
『ハタハタ塩焼き』も必須だろう。これがまたねっとり美味しい。焼き魚は注文したことが殆ど無いがこればかりはやはり頼んでしまう。
あまりに旨いので、頭から尾まで丸々全部食べてしまう。
『ほやの酒盗』もお酒が進む。
あとは『だだみポン酢』。要は鱈の白子。鱈の白子って地方によって色んな呼び方がある。
秋田や青森や福井などでは『だだみ』だし、宮城や岩手では『きく』、『きくわた』。
北海道だと『タチ』とか『タツ』だし、青森では『タズ』。京都なら『雲子』となる。
1日限定10本の手作り『味噌付けたんぽ』。
実際、その場でつくっているのを見ることが出来る。これがなかなか楽しい。
そして出来立てを食べれば当たり前だがかなり美味しい。
『じゅんさい酢』もつるりと喉越しが気持ち良い。
もちろん他にも美味しいものが沢山。刺身も山の幸もある。
お酒はやはり日本酒といきたい。
そんなに種類は多くないが違うものを色々飲めるくらいの選択肢はある。
やはり日本酒と合う料理で飲むとかなり幸せになれる。
冬であってもあまり普段は飲まないのだが、熱燗も悪くない。
まとめ
静かに美味しい料理と日本酒を頂ける。当たり前にそう言ったお店は沢山ありそうだが、意外になかなか見つけられない。ここはまさしくそういうお店だ。
そして、秋田ではあちこちに行ってみたが、何回も通ったことがあるお店は意外に少ない。そしてここはまさにそのお店の1つだ。
「北洲」基本情報
最後に「北洲」の基本情報。
TEL:018-863-1316
住所:秋田県秋田市大町4-1-11
営業時間:17:30~23:00(L.O.22:30)
日曜休
その他:予約可
カード可
全面喫煙可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
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