京都駅から徒歩圏内に一軒の立ち呑み屋がある。
立ち呑みの起源
立ち呑みの起源は江戸・元文年間に遡るという話がある。
東京・神田の鎌倉河岸にあった『豊島屋』という酒屋が、大きな豆腐に少しばかり辛めの味噌をたっぷりと塗って焼いた豆腐田楽を肴に枡酒を提供したのが立ち飲みの始まりというお話。
ちなみにこの『豊島屋』はそうやって供した酒の空樽を売って儲け、その儲けでお酒の大量買い付けをしてお酒をさらに安く売って、また空樽が増えて…と随分と商売上手だったようだ。
他にも味醂をベースに、もち米やこうじなどで作った、ひな祭り前に売り出された『白酒』は大ヒットし、『山なれば富士、白酒なれば豊島屋』と詠われるほど。
『江戸名所図会』の中にも『鎌倉町豊島屋酒店 白酒を商う図』として2月末に白酒を買う人でごった返している豊島屋を長谷川雪旦が描いた場面があるくらいだ。
そして、そんな『豊島屋』は、慶長元年(1596年)に創業してから今現在も続いている超老舗の会社なのだ。
まあ起源がどこにあろうと、現代においても立ち呑みというのは多くの人を惹き付けていることには変わりがない。
京都「いなせや」
京都で新幹線の時間までにまだ少しだけ余裕があるんだけど、さてどうしよう?まあ時間によるだろうが、ちょっとだけ呑んでいくか、なんていう時に行くにはもってこいのお店。
京都駅周辺には立ち呑み屋は色々あるし、どこもそれなりに安くて美味しいのだが、その中でもお勧めしたいのがこのお店。
アクセス
JRの京都駅中央口を出て京都タワーの方へ。その後烏丸七条の交差点まで歩き右に渡る。そのまま真っすぐ行って2つ目の通りを右に行くとその店はある。時間にして7.8分くらい。
途中にあった立ち呑み屋『新橋立呑処へそ』も悪くはなさそうだったが、何も京都で東京新橋の立ち呑み系列店に入るのもな、ということで、今回目指したのは『いなせや』。
立ち呑みとは言ってもいわゆる昔ながらのそれではなくて、白木のカウンターに挟まれて細長いテーブルが2つの店内は清潔感がある。
見ようによっては、ちょっとお洒落な雰囲気といった言い方も出来なくはない雰囲気。立ち呑みでもたまに椅子があって座れるなんていうところもあるが、ここは純粋立ちスタイル。
店内は意外に広々していて窮屈感もなくて居心地が良い。外から中が丸見えの店内だが、それってある意味とても入り易いとも言える。
メニュー
とにかくここは先ず飲み物が安い。
キリン一番搾りの生中が280円で、
瓶でも350円なんだから驚く。
ハイボールだって260円。
他にも各種お酒が揃っているのだが、なにしろ200円から色々呑めるのだからこれはなかなか素晴らしい。
料理のメニューもかなりの数でこちらもどれをとっても同じようにやはり安い。
例えば『造り盛合せ』で600円。これと『すし5カン盛合せ』の2つがここでの多分一番高額メニューだった気がする。
『ポテトサラダ』に至ってはなんと150円なのだが、食べてみればこれが想像していたよりもかなり美味しい。
『野菜ピクルス』も180円ともう充分。他にも120円から色々と揃っていて、安いだけではなくてちゃんと美味しいのがここの良さ。
たまにはこういうのも悪くない。サクッと呑んで食べて新幹線に乗るまで、往復時間を考えても1時間あればかなり満足出来るはずだ。
京都「いなせや」基本情報
さて、最後に「いなせや」の基本情報
TEL:075-371-8878
住所:京都府京都市下京区東洞院通七条下ル真苧屋町220-8
営業時間:15:00~23:30(L.O.23:00)
日曜休
その他:全面喫煙可
カード不可
予約可
おひとりさま居心地レベル:★★★★★(5★満点)
いなせや (立ち飲み居酒屋・バー / 京都駅、七条駅、五条駅(京都市営))
昼総合点★★★☆☆ 3.5
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