万葉集にも詠まれた黒江の地の蔵元がつくる『黒牛 純米 うすにごり生』

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名手酒造店

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名手酒造店

手酒造店のある和歌山県海南市黒江は、室町時代から漆器産地として栄えた職人の街。

1866年(慶応2年)当時繁栄を極めた漆器職人達を顧客として酒造りを始めたのがこの蔵の始まり。かつて黒江は万葉集に『黒牛潟』と詠まれた奥まった入江の土地だった。黒牛と入江で黒江なんだろう。

万葉集にここが詠まれているのはこの3つ。

古家丹 妹等吾見 黒玉之 久漏牛方乎 見佐府下
古へに 妹とわが見し ぬばたまの 黒牛潟を 見ればさぶしも

万葉集 9-1798 挽歌 柿本人麻呂

黒牛乃海 紅丹穂経 百磯城乃 大宮人四 朝入為良霜 
黒牛の海 紅にほふ ももしきの 大宮人し 漁すらすも

万葉集 7-1218 雑歌 作家不詳

黒牛方 塩干乃浦乎 紅 玉裙須蘇延 徃者誰妻
黒牛潟 潮干の浦を 紅の 玉裳裾ひき 行くは誰が妻

万葉集 9-1672 雑歌 持統天皇

かつては蔵の近くにあった浜辺には黒い牛の形をした岩があったそうだ。

黒牛 純米 うすにごり生

黒牛 純米 うすにごり生

さて、今回はそんな『名手酒造』のつくる『黒牛 純米 うすにごり生』だ。

『黒牛』の定番の純米酒の生原酒。『生原酒』だから当然アルコール度数は通常のものよりも少し高めの18度だがそれを感じさせない呑み易さ。

新酒らしく爽やかな香りで、滓にはコクがあって、旨みとの絶妙なバランス。スイスイ呑めてしまう。ロックで呑むのもありだが、やはりそのまま冷やして呑みたい。

『うすにごり』とある通り、あらばしりの部分を滓引きせずに瓶に詰めたものだ。黒牛のうすにごりだから霜降り和牛だな。

ラベル

黒牛 純米 うすにごり生

和紙の真ん中に墨色の『黒牛』の文字。上には『商標登録』、下には赤の平仮名で『くろうし』。右上には『生酒 原酒』。左下には『純米酒』と落款。

黒牛 純米 うすにごり生

そしてラベルの左上には縦長八角形のピンクの地に『うすにごり』。渋いラベルもこれがあるだけで優しい雰囲気になる。

黒牛 純米 うすにごり生

裏ラベルにはお酒のデータが細かく書かれている。

黒牛 純米 うすにごり生

蓋にもちゃんと『黒牛』と書かれているところが良い。牛のシルエットとかだと更に良いんだけど。

データ

では、最後にこのお酒のデータ。

産地和歌山県容量1800ml
蔵元名手酒造店日本酒度+7
度数18%酸度1.9
精米歩合60%アミノ酸度1.3
原料米山田錦、五百万石酵母901号

ちなみにラベルのデータの読み方についてはこちらをどうぞ。

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