若乃井酒造
明治23年(1890)創業の若乃井酒造は、山形県西置賜郡飯豊町にある蔵元。
村の鎮守、若宮八幡宮のそばを野川が流れており、その下流に井戸を掘ったところ、酒造りに適した酒泉が湧き出たことから『若乃井』と名付けられたそうだ。
この野川の水は硬度22の超軟水で、素材が持つ本来の香や味わいを引き立てる水だ。
若乃井 特別純米 無濾過生原酒
その若乃井酒造がつくった『若乃井 特別純米 無濾過生原酒』が今回呑んだお酒。
活性炭による濾過をせずにしぼりたてそのままを火入れせず壜詰めしたこのお酒は飯豊町のいわゆる雪の冷蔵庫『雪室』で貯蔵されたお酒。
この雪室は湿度90%・室温常時2℃に保たれており、まろやかでやわらかな酒質に仕上がる。
無濾過生原酒なのでアルコール度数は17.7度と少し高めだが非常に呑み易い。落ち着いた甘みと辛口の後味。ほのかに残る苦味とやわらかい口あたりは非常に味わい深い。
お米は長野県生まれの酒造好適米『美山錦』を使っている。精米歩合は60%だから純米吟醸と表記しても良いけれど、敢えて『特別純米』としているのだろう。
北陸12号と東北25号を掛け合わせてつくられた『たかね錦』に放射線処理を行い、突然変異したものの中から粒が大きく心白発現率が高いものを個体に選抜した品種。
たかね錦の小粒で心白発現率が低くたんぱく質含有率が高いという欠点を解消する為に開発されたお米だ。
名前は北アルプス山頂の雪のような美しい心白があることに由来する。
繊細な香りで軽くスッキリとした味わいに仕上がることが特徴で、バナナや完熟メロンのようなやや派手な吟醸香と、細身ながらフルーティーな味わいが感じられるお米。五百万石に近いがより華やかな香り。
ラベル
ここのラベルは紙ではなくて布製。
以前米沢の『加津』さんで種類は違うがこの若乃井の布製ラベルを初めて見たのだが、その味と共にとても印象に残っている。
紙とは違って機械貼りはできないはずだから一枚一枚を手で貼っているのだろう。
当然手間はかかるだがその分印象に強く残る。
その印象に残る布製のメインラベルは淡い紫色。右に酒造のマークと『特別純米 若乃井 雪室貯蔵』の文字が入った短冊が貼られている。
ちなみに酒造のマークは『若』を『井』の真ん中の四角で囲っているもので、その周りを『いいでいい酒若乃井酒造 山形 霊峰飯豊山雪解井戸水 YUKIMURO低温貯蔵』の文字が囲っている。
肩部のところには斜めのオレンジの地の短冊に黒で『YUKIMURO低温貯蔵酒』、
白で『無濾過生原酒』の文字。
裏ラベルにはデータと蔵からの一言。
活性炭による濾過をせずにしぼりたてのそのまんまを火入れをしないで壜詰めし雪室での低温(2℃)貯蔵しております。ほのかに残る苦味とやわらかい口あたりをお楽しみください。
裏ラベル
データ
最後にこのお酒のデータ
産地 | 山形県 | 容量 | 1800ml |
蔵元 | 若乃井酒造 | 日本酒度 | 非公開 |
度数 | 17% | 酸度 | 非公開 |
精米歩合 | 60% | アミノ酸度 | 非公開 |
原料米 | 美山錦 | 酵母 | 非公開 |
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