
- トレド大聖堂
- 大聖堂を外側から見る
- 大聖堂の内部(壁際を時計回りで)を見る
- ステンドグラスと柱
- コンセプシオン礼拝堂
- エピファニア礼拝堂
- モサラビア礼拝堂
- メイン・ファザードの内側からの3つの扉
- サン・ファン礼拝堂
- プレゼンテーションの扉
- ドニャ・テレサ・デ・ハロ礼拝堂
- ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア礼拝堂
- ピラ・バウティスマル礼拝堂
- ピエダッド礼拝堂
- サンタ・カタリナの扉
- 回廊
- サンブラス礼拝堂
- サン・ペドロ礼拝堂
- 時計の門
- ヴィルヘン・デル・サグナリオ礼拝堂
- オチャボ礼拝堂
- 聖具室
- クリスト・デ・ラ・コロムナ礼拝堂
- サンタ・レオカディア礼拝堂
- レイエス・ヌエボ礼拝堂
- サンティアゴ礼拝堂
- サン・イルデフォンソ礼拝堂
- トリニダッド礼拝堂
- サン・ニコラス礼拝堂
- アンテサラ・デ・ラ・サラ・カピトラル
- サラ・カピトラル
- サン・ジル礼拝堂
- サン・ファン・バウティスタ礼拝堂
- サンタ・アナ礼拝堂
- レイエス・ビエホス礼拝堂
- サン・ホセ礼拝堂
- 獅子の門内部
- サン・クリストバル
- サン・エウヘニオ礼拝堂
- サン・マルティン礼拝堂
- 大聖堂内部(中心部)を見る
- というわけで…
- 基本情報
- 地図
トレド大聖堂
もちろん次回行った時も、
過去2回同様にココは間違いなく訪れたい場所。
それがトレド大聖堂、
Catedral de Toledo。
トレド大聖堂概要
この大聖堂は、
13世紀にレコンキスタを進めたカスティーリャ王フェルナンド3世の命によって1226年に着工された。
レコンキスタとは、
スペイン語で『再び征服する』という意味。
イベリア半島でキリスト教徒とイスラム教徒の間で行われた国土回復運動で、
カスティリャ王国とアラゴン王国の王女と王子が結婚し1479年にスペイン王国が成立。
その後1492年にスペイン王国はイベリア半島の最後のイスラーム王朝であったナスル朝を滅ぼし、
レコンキスタが完了している。
そこから約2世紀半後の1493年、
スペイン・ゴシック様式の最高傑作ともいわれるトレド大聖堂が完成する。
270年近くもかかって完成した後も増築を繰り返したために、
オリジナルの部分は少なくなっている。
大聖堂を外側から見る
せっかく訪れたのなら、
いきなり中に入るのではなく大聖堂の周りを辿ってみよう。
スタート地点となるのが南西側にある歪な四角形のアユンタミエント広場、
Plaza del Ayuntamiento。
市庁舎と大司教宮殿
アユンタミエントは市庁舎のことで、
ここにはそのまんまトレド市庁舎がある。
この市庁舎は、
エル・グレコの息子ホルヘ・マヌエル・テオトコプリが設計したルネサンス様式の建物。
ファサード上部には、
最後の晩餐の彫刻。
前には底に銅板の彫刻が施されている水場があって、
そこに映る市庁舎は写真に収めたい。
市庁舎の左前には、
大聖堂と渡り廊下で繋がっている大司教宮殿がある。
建物中央の2階のバルコニーの上には、
スペイン国王カルロス1世とトレドの紋章の双頭の鷲。
鐘楼
この広場に面したところに、
大聖堂のメイン・ファザードがある。
正面左側には、
高さ90m以上もある下部4角4段の創造物の上に小尖塔がついた8角形の鐘楼がある。
この塔には登ることができるみたいだけど、
一般入場券には鐘楼見学は含まれていないのでチケット売場でリクエストが必要という情報があった。
少人数制でガイド同行なので、
通常はすぐに売り切れてしまうという話だ。
他では一般入場券に含まれていてガイドなしで登れるという情報があったり、
パンデミック中閉鎖されてまだ再開していないという情報もある。
なので行った際にこのタワーを登れるのかどうか?は今のところわからないけど、
可能ならば是非登っておきたい。
ちなみにこの鐘楼の鐘は、
典礼用の鐘11と時報の鐘3と信号用の1個。
その中心にあるのがカンパナ・ゴルダ、
Campana Gorda。
カンパナはスペイン語で『鐘』のことで、
ゴルダは『太った』という意味。
聖ユージーンの鐘、
Campana de san Eugenio とも呼ばれていて世界でも有数の大きさでスペイン国内最大。
この鐘が設置されたのは1755年のことで、
設置されてから2カ月後に初めて鳴らされた時にいきなり亀裂が入ってしまった。
合金のミスによるものらしいが、
写真で見る限りかなり大きな亀裂がある。。
モサラベ礼拝ドーム
ファザードの右側にあるのは、
モサラベ様式の礼拝堂のドーム。
地下に水路があって、
塔を建てるのには重すぎるということで低くしたらしい。
3つの扉
鐘楼とモサラベ礼拝ドームとに挟まれて、
通常は閉ざされた3つの扉がある。
左から椰子の扉、
Puerta de Palmas。
あるいは塔の門、
Puerta de Torre。
真ん中が許しの扉、
Puerta del Perdón。
あるいは王の扉、
Puerta de Reyes。
大司教の扉、
Puerta del Arzobispo。
右が最後の審判の扉、
Puerta del Juicio Final。
あるいは書記の門、
Puerta de los Escribanos。
ファザードには、
最後の晩餐は描かれた彫刻がある。
獅子の門
大聖堂に行きなる入る前に、
先ずは周りをグルッと1周して他の門も見ておきたい。
他にある門の1つが右翼廊部にある美しい獅子の門、
Puerta de los Leones。
この門の名は、
グリルの柱を飾るライオンに因んで名付けられたもの。
平らな門
その手前には見学者が大聖堂内に入る唯一階段のない平らな門、
Puerta Llana。
ここは建築素材や装飾を運び入れるために、
職人たちが出入りした質素な扉になる。
時計の門
建物の逆側の北側のファサードには14世紀初頭に建てられた最も古い門である時計の門、
Puerta del Reloj がある。
扉の上には4つに区切られキリストの生涯の場面が描かれていて、
側壁には王や聖人の像がある。
大聖堂の内部(壁際を時計回りで)を見る
大聖堂には、
プエルタ・リャナから入ることになる。
チケットは大聖堂の向かいの土産店で購入するんだけど、
もちろんオンライン購入もできる(詳しくは☟基本情報で)。
入るとひんやりとした薄暗い、
初めてであれば(そうではくても)まずそのスケールの大きさには圧倒されるに違いない。
ステンドグラスと柱
入るとまず750枚以上ものステンドグラス、
そして88本の巨大な柱が目を惹く。
ステンドグラスは14-17世紀につくられたもので、
スペイン内戦中に多くの損傷を受けた後に大規模な修復が行なわれ今に至っている。
コンセプシオン礼拝堂
平の門を入ってすぐ左にあるのがコンセプシオン礼拝堂、
La Capilla de la Concepción。
コンセプシオンは、
受胎の意味がある。
祭壇画はトレド出身の画家フランシスコ・デ・アンベレス、
Francisco de Amberes の作品と言われている。
エピファニア礼拝堂
その隣にあるのがエピファニア礼拝堂、
La Capilla de la Epifanía。
エピファニアは神の公現のことで、
降誕したキリストを三賢者が礼拝したことを記念した日が公現祭。
三賢者の礼拝をテーマにした祭壇画があり、
それでこの名前が付いた。
モサラビア礼拝堂
その隣にはモサラビア礼拝堂、
La Capilla Mozárabe がある。
モサラビアはイスラム教下でカトリックの信仰を守った信者のことで、
今でもここではその子孫たちによるミサが行われている。
現在のドームは17世紀のもので、
エル・グレコの息子ホルヘ・マヌエル・テオトコプリが8枚のパネルとランタンで設計したもの。
中央にある18世紀のモザイクの聖母子像はローマから持ち込まれたもので、
船が難破して海底に沈んだものを引き上げたものと言われている。
メイン・ファザードの内側からの3つの扉
その隣が、
メイン・ファザードの内側になる。
真ん中の許しの門の上には美しいバラ窓、
El gran rosetón とステンドグラス。
扉の両側にはマリアの無原罪懐胎の教条定義と、
1982年教皇ヨハネ・パウロ2世トレド訪問の記念碑。
審判の門の黒い碑文はグラナダ征服と1493年1月大聖堂工事完成を記念したもので、
金メッキの木でつくられた復活祭キャンドルの彫刻記念碑もある。
そして、
塔の扉。
サン・ファン礼拝堂
塔の扉の右隣にあるのがサン・ファン礼拝堂、
La Capilla de San Juan。
サン・ファンは聖ヨハネのことで1900年にいわゆる宝物室、
Custodia に改装されている。
扉上部の2つの彫像は、
十字架を持つキリストと膝の上の聖ペテロ。
これは『主よどこへ行かれるのですか?(Domine quo vadis?)』、
『再び十字架に架けられるためにローマへ行くところだ(Romam vado iterum crucifigi)』の場面。
中に入ると中央部分にケースに収められた、
高さ3m・重さ200kgのまばゆいばかりの聖体顕示台がある。
プレゼンテーションの扉
サン・ファン礼拝堂から北側に移って最初にあるのがプレゼンテーションの扉、
Puerta de la Presentación。
この扉の向こうは、
一辺が52メートルの完全な正方形の回廊が4つ。
もう少し先にもう1つの回廊に続く扉があるので、
そのまま礼拝堂を見ていく。
ドニャ・テレサ・デ・ハロ礼拝堂
プレゼンテーションの扉の右にあるのがドニャ・テレサ・デ・ハロ礼拝堂、
Capilla de Doña Teresa de Haro。
カラトラバ騎士団総長となったスペイン貴族ディエゴ・ガルシア・デ・パディージャ、
Diego García de Padilla の妻テレサ・デ・ハロが設立したもの。
家の紋章の柄杓にちなんでクリスト・デ・ラス・クチャラス、
Cristo de las Cucharas としても知られている。
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア礼拝堂
その隣がヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア礼拝堂、
Capilla de Nuestra Señora de la Antigua。
西ゴート教会のものと思われる、
アンティグアの聖母の像がある。
ピラ・バウティスマル礼拝堂
その隣がピラ・バウティスマル礼拝堂
Capilla de la Pila Bautismal。
ピラ・バウティスマルは、
洗礼盤のこと。
その名前の通り、
ブロンズ製の洗礼盤が置かれている。
ピエダッド礼拝堂
その隣がピエダッド礼拝堂、
Capilla de la Piedad。
ピエダッドは、
慈悲のこと。
祭壇は聖テレサに捧げられていてスペインのバロック彫刻家ペドロ・デ・メナ・イ・メドラノ、
Pedro de Mena y Medrano または彼の工房のものと考えられている。
サンタ・カタリナの扉
その隣にプレゼンテーションの扉同様に回廊に続く聖カタリナの扉、
Portada de Santa Catalina がある。
大聖堂最初の画家ルイス・デ・ベラスコ、
Luis de Velasco の受胎告知の絵が扉の上に見られる。
回廊
回廊(Claustro)は2階建てになっており、
身廊を出てクルミ材のドアを抜けるとそこにある。
大きな尖頭アーチと、
庭園への立ち入りを防ぐフェンス。
壁にはペドロ・ベルゲテの描いたフレスコ画があったが劣化したために、
マリアーノ・サルバドール・マエラとフランシスコ・バイユーが再度描いている。
これらはトレドの聖人たちのさまざまな場面を表しているもので、
入口にあるのはラガーディアの聖なる子供(El Santo Niño de La Guardia)。
台座と小さな柵の上に原始教会の奉献を記念する石があって、
西ゴート族の碑文が刻まれている。
En el nombre del Señor fue consagrada la Iglesia de Santa María en católico,
―西ゴート族の碑文
el día primero de los idus de abril,
en el año felizmente primero del reinado de nuestro gloriosísimo rey Flavio Recare.
Era 625 (13 de abril del año 587)
主の御名において聖マリア教会は
私たちの最も栄光に満ちた王フラウィウス・レカレの治世の幸福な最初の年
4月のイデスの初日にカトリックで奉献されました
625年(587年4月13日)でした
サンブラス礼拝堂
回廊の一角にあるのがサンブラス礼拝堂、
Capilla de San Blas。
入口には、
受胎告知の彫刻群。
青く塗られた八角形の天井は、
大空を模した金色の星が描かれている。
壁には、
キリストの生涯の一節や聖人の場面を描いたフレスコ画。
この礼拝堂は道路から7メートルも低い位置にあるので湿気によって、
これらのフレスコ画は失われたがいくつかの断片を除いて復元されている。
2つの白い大理石の墓があり、
テノリオ大司教と彼の秘書で甥パレンシア司教ビセンテ・アリアス・バルボアが眠っている。
甥の墓は、
叔父の墓よりわずかに低い高さにある。
サン・ペドロ礼拝堂
時計の扉とサンタ カタリナの扉の間にあるのがサン・ペドロ礼拝堂、
Capilla de San Pedro。
礼拝堂というよりは、
教区として機能する小さな教会。
門には5つ星のロハスの盾が繰り返されていて、
入り口の壁にはフレスコ画。
かつてここの前には婚外子や貧乏で養育できない人々の子供が捨てられたゆりかごの形をした石、
Piedra para los Miños Expósitos があった。
増え続ける置き去り児を収容することを主な目的としてサンタクルス病院、
Hospital de Santa Cruz ができたそうだ。
それが今のサンタクルス美術館、
Museum of Santa Cruz。
時計の門
サン・ペドロ礼拝堂の右には古い時計の門、
Puerta del Reloj がある。
外側にはキリストの生涯が表現された彫刻があるが、
内側には聖トマス・アクィナスを描いた絵がある。
その上には表側と同様に時計があって、
その上のバラ窓は大聖堂で最も古い14世紀のもの。
この門の近くの柱の1つに、
巨大な象の角か牙が鎖で繋がれているのを見逃さないように。
言い伝えによると、
それは神殿を建てるために最初の石を運んだものの苦労のあまり死んでしまった牛のものという話。
ヴィルヘン・デル・サグナリオ礼拝堂
時計の門の先にあるのがヴィルヘン・デル・サグナリオ礼拝堂、
Capilla de la Virgen del Sagrario。
銀で覆われた円錐台の上、
金メッキされた銀と青銅でできた大きな凱旋門の下に聖母像。
座って幼子を膝の上に抱き右手で幼子を祝福し左手に十字架のついた玉を持っている聖母像は、
ビワの木に彫刻されて銀で覆われたもの。
オチャボ礼拝堂
ヴィルヘン・デル・サグナリオ礼拝堂の奥にあるのがオチャボ礼拝堂、
Capilla del Ochavo。
この聖遺物礼拝にはどうやら入ることができないらしいが、
様々なお宝が収められている。
公式サイトではその内容を写真で見ることができるけど、
そんなものを見たら余計に実際に見てみたくなる。
聖具室
ヴィルヘン・デル・サグナリオ礼拝堂の隣にあるのが聖具室、
La Sacristía。
この聖具室は前聖具室・更衣室・衣類のコレクションなど、
他の部屋も隣接しているので全てをしっかりと見ておきたい。
ここでのメインは、
グレコを中心とした作品。
天井のスレスコ画はルーカス・ジョルダンの作品で、
聖母マリアが司教聖イルデフォンソにカズラを着せるために降臨する場面が描かれている。
正面にはグレコの『聖衣剥奪(El Expolio)』、
同じくグレコの使徒職セットも並んでいる。
他にもティツィアーノやラファエロやヴァン・ダイク、
更にカラヴァッジョやゴヤなどの作品もあってまるで小さな美術館。
クリスト・デ・ラ・コロムナ礼拝堂
聖具室入口の右にある小さな礼拝堂がクリスト・デ・ラ・コロムナ礼拝堂、
Capilla del Cristo de la Columna。
クリスト・デ・ラ・コロムナは、
柱の上のキリストという意味。
捕まったイエスの両隣にはペテロとヨハネ、
イエスがローマ属州総督ピラト邸で柱に縛り付けられ鞭打ちされる場面が見られる。
サンタ・レオカディア礼拝堂
その隣にあるのがサンタ・レオカディア礼拝堂、
Capilla de Santa Leocadia。
祭壇画は、
黒と白の大理石で縁取られた聖レオカディア。
マリアノ・サルバドール・マエラ(Mariano Salvador Maella)の弟子、
ラモン・セイロ(Ramón Seyro)の作品。
レイエス・ヌエボ礼拝堂
サンタ・レオカディア礼拝堂隣から入っていく小さな教会みたいな場所がレイエス・ヌエボ礼拝堂、
Capilla de los Reyes Nuevos。
レイエス・ヌエボは、
新しい王たちという意味。
ここにはカスティーリャ王ヘンリー2世(1333-79)を始めとした、
王とその妻の棺が収められている。
サンティアゴ礼拝堂
大聖堂全体で最大のサンティアゴ礼拝堂、
Capilla de Santiago。
自身と家族の埋葬地として設立したアルバロ・デ・ルナの名前からアルバロ・デ・ルナ礼拝堂、
Capilla de Álvaro de Luna とも呼ばれている。
鮮やかな天使がいる八角形の丸天井で覆われた六角形の礼拝堂の14枚の祭壇画は、
フアン・ロドリゲス・デ・セゴビアの描いたもの。
この場所には死者の姿をした青銅製自動人形が2台あって、
ミサが行われる時にバネで引き上げられたと言われている。
サン・イルデフォンソ礼拝堂
サンティアゴ礼拝堂の右隣にあるのがサン・イルデフォンソ礼拝堂、
Capilla de San Ildefonso。
かつて中心の大きな礼拝堂と脇の小さな2つの礼拝堂だったものを、
1つにしたものらしくここもかなり広い。
祭壇にはトレドの守護聖人イルデフォンソが、
聖母マリアから式服を与えられるシーンのレリーフ。
中央霊廟はこの礼拝堂をつくったトレド大司教ヒル・デ・アルボルノスのもので、
6頭の獅子の上に立っている。
トリニダッド礼拝堂
サン・イルデフォンソ礼拝堂の右隣には小さなトリニダッド礼拝堂、
Capilla de la Trinidad。
トリニダッドは、
三位一体のこと。
三位一体はキリスト教において、
父なる神 / 神の子イエス・キリスト / 精霊 のこと。
祭壇にはビサグラ新門の再建などで知られるアロンソ・デ・コバルビアスの像があり、
周りの祭壇画は彼の学校のものとされている。
ここから時計回りに奥にあるサラ・カピトラルを除いて、
小さな礼拝堂が獅子の門を挟みながら平らな門まで続いていく。
サン・ニコラス礼拝堂
トリニダッド礼拝堂の右隣にやはり小さなサン・ニコラス礼拝堂、
Capilla de la San Nicolás。
っていうか、
サラ・カピトラルを構成する3つのスペースの1つで最初の場所。
聖ニコラスはサンタクロースのモデルになった、
現在のトルコのミュラの司教だった方。
アンテサラ・デ・ラ・サラ・カピトラル
サン・ニコラス礼拝堂の奥がアンテサラ・デ・ラ・サラ・カピトラル、
Antesala de la Sala Capitular。
アンテサラは、
待合室の意味。
この部屋と奥のサラ・カピトラルを描いた、
Antesala y sala capitular de la catedral de Toledo という絵がある。
プラド美術館にあって、
パブロ・ゴンサルボ・イ・ペレスというスペイン画家の作品。
サラ・カピトラル
そしてサラ・カピトラル、
Sala Capitular。
サラ・カピトラルの意味は参事会室で、
聖職者たちの会議室や礼拝などの部屋。
金色と多色の素晴らしい格天井で覆われている長方形の部屋の窓からは、
通りを見下ろすことができる。
中央奥に大司教座椅子があって、
壁に沿って他の聖職者が座る木のベンチ。
その壁には聖母マリアの生涯とイエス・キリストの受難の場面が描かれたフレスコ画、
フアン・デ・ボルゴーニャの作品。
その更に下にはボルゴーニャや他の画家が描いてきた、
歴代のトレド大司教の肖像画がある。
サン・ジル礼拝堂
サン・ニコラス礼拝堂の右隣にはこれもやはり小さなサン・ジル礼拝堂、
Capilla de San Gil。
自分の財産を貧しい人々に分かち与え、
ローヌ河口の洞くつで隠遁生活を始め質素な生活を送ったジル。
食べ物を運んでくれていた雌鹿に向けて放った領主の矢を飛行中に止めた奇跡から、
領主は大修道院を設立することに。
ローマから許可を得て教皇から彫刻の施された二つの門を贈られたジルは、
それを川に投げ込んでしまう。
そして再びジルが洞窟に戻った時に、
その門が同じように流れ着いたといった話がある。
サン・ファン・バウティスタ礼拝堂
サン・ジル礼拝堂の右隣には少し広いスペースのサン・ファン・バウティスタ礼拝堂、
Capilla de San Juan Bautista。
サン・ファン・バウティスタは、
洗礼者ヨハネのこと。
イエスの弟子、
使徒ヨハネとは同名の別人。
ヨハネの母であるエリサベトと、
イエス・キリストの母であるマリアは親戚だったという。
ゴシック様式のグリル、
1780年の新古典主義の祭壇画が特徴的。
サンタ・アナ礼拝堂
サン・ファン・バウティスタ礼拝堂の右隣はサンタ・アナ礼拝堂、
Capilla de Santa Ana。
サンタ・アナは、
マリアの母のこと。
祭壇画は、
ジル・ド・シロエの描いたイエス誕生とマリアとアンナ。
レイエス・ビエホス礼拝堂
サンタ・アナ礼拝堂の右隣はレイエス・ビエホス礼拝堂、
Capilla de los Reyes Viejos。
レイエス・ビエホスは、
古い王たちの意味。
祭壇画は、
フランシスコ・コモンテスの作品。
サン・ホセ礼拝堂
レイエス・ビエホス礼拝堂の右隣にはサン・ホセ礼拝堂、
Capilla de San José。
サンタ・ルチア礼拝堂、
Capilla de Santa Lucía とも呼ばれる。
サイトによってはサグラド・コラゾン礼拝堂、
Capilla del Sagrado Corazón となっているものも。
大聖堂の中で最も古いものの1つで、
13世紀の外壁と入口のアーチが保存されている。
クリスト・デ・ラ・コロムナ礼拝堂からここまでをヒロラ礼拝堂、
Capillas de la girolaと呼ぶ。
ヒロラは、
後陣周りの廊下という意味。
獅子の門内部
サン・ホセ礼拝堂の次にあるのが、
獅子の門の内側でアロンソ・デ・コヴァルビアスが手掛けている。
ここには大聖堂で12個ある中で最も古い皇帝の印象的なオルガン、
El Órgano del Emperador がある。
その上には、
大きなバラ窓。
サン・クリストバル
獅子の門の右には聖クリストフォロスの巨大なフレスコ画、
Es la figura de San Cristóbal がある。
どれくらい大きいのか?というと、
おおよそ11 x 4.5 mもある。
クリストフォロス(Χριστόφορος)は、
ギリシア語でキリストを背負ったものという意味。
サン・エウヘニオ礼拝堂
巨大なフレスコ画の右隣にはサン・エウヘニオ礼拝堂、
Capilla de San Eugenio。
サン・エウヘニオは、
7世紀にトレド大司教となった聖ユージン。
祭壇画には、
その聖ユージンが描かれている。
サン・マルティン礼拝堂
サン・エウヘニオ礼拝堂の右隣りであり平らな門の左にあるのがサン・マルティン礼拝堂、
Capilla de San Martin。
殉教をせずに列聖された初めての人物であり、
ヨーロッパ初の聖人でもあるトゥールのマルティヌス。
非常に寒い日のアミアンの城門で、
マルティヌスは半裸で震えている物乞いを見た。
彼を気の毒に思いマントを2つに引き裂いて、
半分を物乞いに与えた。
この物乞いはイエス・キリストであったといわれ、
これが受洗のきっかけとなった。
祭壇画はフアン・デ・ボルゴーニャと、
フランシスコ・デ・アントワープのものとされる。
大聖堂内部(中心部)を見る
ここまでは平の門を入って時計回りで順番に見てきたけど、
ここからは大聖堂内の中心部。
デセンシオン礼拝堂
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア礼拝堂の近くにあるのだデセンシオン礼拝堂、
トレド大聖堂最初の礼拝堂 Capilla de la Descensión と言われている。
ここに、
この大聖堂の元々の西ゴート教会の大祭壇があったと考えられている。
デセンシオンは、
降下の意味。
ルデフォンソが聖母マリアから式服を与えられた奇跡の場所とされていて、
聖母が足を置いたといわれる石がある。
トランスコロ
平らな門を入って正面に進んで行った右にはトランスコロ、
Trascoro が目に入る。
これは、
聖歌隊席コロ Coro の後部空間というか後部仕切り。
中央には、
父なる神を表すメダリオンがある。
ここには、
3つの礼拝堂がある。
中央にあるのが星の聖母礼拝堂、
Capila de la Virgen de la Estrella。
左が横たわるキリストの礼拝堂、
Capilla del Cristo Tedido。
右が聖ルチアの礼拝堂、
Capilla de Santa Lucía。
ポルタ・シリオ・パスクアル
トランスコロのところに置かれているポルタ・シリオ・パスクアル、
Porta Cirio Pascual。
ポルタ・シリオ・パスクアルは、
復活祭の燭台の意味。
木製に金箔を施したもので、
1番下にはイスラエルの民が砂漠を通過する場面を描いたレリーフを天使が持っている。
その上の天使は、
キリストの死と復活による贖罪によって断ち切られた罪の鎖を持っている。
頂上部には、
聖ペテロ・聖ヨハネ・地元の守護聖人の聖ユージンと聖イルデフォンソの肖像の円形の浮き彫り。
その上にはAΩ(ギリシャ文字の最初と最後)という文字の台があり、
4人の小さな天使たちがいる。
シエル・ラテラル・デル・コロ
コロの側面を塞いでいるのがシエル・ラテラル・デル・コロ、
Cierre Lateral del Coro。
大理石の柱に支えられた多葉アーチのゴシック式アーケード、
天蓋の下に神聖な歴史の場面が描かれている。
その上には、
バラ形装飾。
コロ
正面のグリルから中に入るとそこが聖歌隊席コロ、
Coro。
まず最初に目に入るのが153cmの白い聖母像、
Virgen Blanca。
周りを囲む壁には、
アダムとイヴからイエス・キリストまでの系図上の人物が彫刻されている白い70の像。
側面には、
2つのパイプ・オルガンがあり右側は大司教聖歌隊オルガンと呼ばれる最も古いもの。
中央の演台は、
旧約聖書と新約聖書の一節が表現されている。
そこにあるのが、
青銅製の翼を広げた鷲の彫像の譜面台。
最奥の最上部の大司教の椅子の上にはイエスの変容像、
弟子たちの前でイエスがモーセらと語り合いながらその身体が白く輝いた姿を示したもの。
聖歌隊席は上下に分かれていて、
下部の椅子の背もたれにはグラナダ征服の戦争場面が描かれている。
椅子が折りたたまれた状態の時に見える裏側に作られたミゼリコードには、
日常や神話や神話上の存在の非常に精巧なテーマが描かれている。
肘掛けにも、
非常に美しい彫刻がなされている。
上部の方は、
聖書の登場人物や教会の聖人や多くの典礼のテーマがクルミ材で表現されている。
座席は72本の赤い大理石の柱で支えられた71のアーチによって形成されていて、
そのスペースに椅子が組み込まれている。
2つのパイプ・オルガンがあったり、
とにかく見どころが多い空間。
サント・セプルクロ礼拝堂(地下室)
コロの先にある主祭壇の下に横からアクセスできる地下室、
La Cripta。
そこにあるのがサント・セプルクロ礼拝堂、
La Capilla del Santo Sepulcro。
サント・セプルクロは、
聖墳墓の意味。
ここには、
聖女ウルスラの遺骨が安置されている。
3つの祭壇があり、
中央には多色彩色で制作したキリストの聖なる埋葬が彫刻されたもの。
左右には、
2つの三連祭壇画の形をした祭壇画。
左側のものは、
真ん中に司教聖ユリアヌスの像と両脇に聖バルトロマイと聖ヨハネの祭壇画。
右側は、
左から幼児虐殺・聖フランチェスコ・洗礼者ヨハネ。
これらの逆側に、
聖ウルスラの棺が安置されている。
主祭壇
地下室の上にあるのが主祭壇、
Cap Mayor。
フランシスコ・デ・ビジャルパンドのルネッサンス様式のグリルで閉じられているが、
隙間から中を覗くことができる。
そのグリルにはカール5世の帝国の紋章、
その上には美しい十字架。
フェンスの両側の大理石の柱の上には、
2つの説教壇。
それぞれの上には、
左側に天使・右側にすでに妊娠している聖母像。
多色と金メッキの木材で作られた荘厳な高さ約30mの祭壇画、
これがこの大聖堂のメインと言っても過言ではないスゴイもの。
互い違いの高さの5つのパネルから成り、
中央のパネルが最も幅が広く高さは5階建てで分離線は階段状になっている。
更にその両脇の狭い通りは埃よけとして使用され、
その基部には大きなプレデラ。
中央の1番下のプレデラ内には聖母子の座像があり、
プレデラ内には他にも最後の晩餐やイエスの逮捕やゲッセマ園でのイエスの祈りなどが描かれている。
その上には金メッキの木の線条細工で作られた幕屋、
木彫りのゴシック様式の聖体顕示台。
その脇には東方三博士の来訪や復活したイエスの勝利と栄光、
受胎告知や柱に縛られ鞭打たれるイエス。
その上にはキリスト降誕、
脇には幼児虐殺・イエスの昇天を見守る民・イエスの洗礼・荊冠を被されたイエス。
その上はマリア被昇天、
脇にはイエス復活・昇天・十字架から降ろされたイエス・十字架を担ぐイエス。
そして、
これらの1番上にはゴルコダの丘でのキリストの磔刑。
祭壇画のアトリウムの頂上には、
星空に囲まれた大きなカルバリー。
祭壇画の両側には王室礼拝堂があり、
高い位置に棺が安置されている。
当初ここは巨大な門のような2つの石の格子で横方向に閉じられていたが、
福音書に相当する部分が破棄されている。
ただ右の書簡側は残されており、
聖人や預言者の像が多く飾られた上には天使たちの合唱団。
その隣に建てられた礼拝堂の内部に通じる二本の柱、
左の柱にはラス・ナバスの羊飼い。
右側はアルファキの柱と呼ばれ、
アルフォンソ 6 世国王に寛容のメッセージをもたらしたアブ・ワリドの像にちなんでいる。
トランスパレンテ
主祭壇の裏側にあるのがトランスパレンテ、
El Transparente。
トランスパレンテは、
透明なものという意味。
ナルシソ・トメとその息子たちによって作られた彫刻で、
天窓から入る光によってより輝いて見えることからこの名が付けられた。
白い大理石で作られた聖母子像の両側にはブロンズのレリーフがあり、
上には太陽とそれにまとわる天使たち。
大天使聖ラファエルが右手に黄金の魚を持っているのが見えるが、
この黄金の魚を放つとトレドの街の崩壊が始まると言われている。
そして、
その上には最後の晩餐が描かれている。
というわけで…
これまで2回ココを訪れたけれど、
ただスゴイなあと眺めて終わっていた。
もう少し知識があればもっと楽しいだろうと思い、
次回訪れる時のガイドとしてこれをつくってみた。
まだ漏れているものもあるかもしれないけれど、
研究者でも何でもない一観光客としてはこれくらいで充分だろう。
照らし合わせながら実際に早く見たいし、
そうしたらココに写真もアップしたいけれどいったいいつになることやら。
基本情報
![]() | Calle Cardenal Cisneros, 1, 45002 Toledo Ver Mapa |
![]() | 月~土: 10:00-19:00 日: 14:00-18:30 ※Puerta del Relojへは祝日除く月-金8:00-9:30無料 ※特別営業日 ・1/6 公現祭: 14:00-18:30 ・1/23 サン・イルデフォンソ: 14:00-18:30 ・エルサレム入城の日: 14:00-18:30 ・聖火曜日: 14:00-18:30 ・聖木曜日: 11:00-17:00 ・聖金曜日: 11:00-17:00 ・聖土曜日: 11:00-18:30 ・復活祭日曜日: 14:00-18:30 ・聖体祭: 16:30-18:30 ・8/15 サグラリオの聖母: 16:00-18:30 ・11/1 諸聖人の日: 14:00-18:30 ・12/8 無原罪懐胎: 14:00-18:30 ・12/24: 10:00-14:00 ・12/31: 10:00-14:00 |
![]() | 基本1/1,12/25 |
![]() | 12€ ※3ヵ月末まで購入可 ※10:00から30分刻み ※Puerta del Relojへは祝日除く月-金: 8:00-9:30無料 ※ルミナ(夜間見学): €24.90 ※大聖堂+ルミナ: €33.00 |
![]() | 2-3時間 |
![]() | ×となっているが明らかに多くの写真がアップされている |
![]() | catedralprimada |
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