スペインお金事情

トレド大聖堂とサント・トメ教会のチケット

スペインお金事情

1986年旅行記録はちょっとストップして、
その時疑問に思ったことを調べている。

今回は、
スペインのお金事情。

スペイン通貨 過去 ₧(ペセタ)

上の写真は、
トレドの大聖堂とサント・トメ教会を訪れた時の入場券。

それぞれ Entrada: 200 pesetas 、
I.V.A. INCLUID 75 pecetas とある。

当時の日本円だと1ペセタは大体100円くらいだったので、
それぞれの入場料は驚きの200円と75円の入場料ということだ。

じゃあ今はどれくらい?と調べてみると、
それぞれ12€=2,000円近くと4€=700円近くとほぼ10倍。

昔と今では違うのは当たり前だけど、
随分と値上がったものだ。

そんなわけで、
以前スペインを訪れた際の通貨は2回ともまだペセタ(₧)だった。

そのペセタが導入されたのは、
1868年のこと。

語源はカタルーニャ語で、
小さな物を意味する peceta 。

確かあの頃の1ペセタは、
日本円で1円弱くらいだったはず。

なのでスペインでの価格は単純にそのまま円に置き換えられたので、
とてもわかりやすかったし何となく親しみが持てた。

スペイン通貨 現在 €(ユーロ)

でも今ではもうペセタではなくて、
1999年からは€(ユーロ)になっている。

1.00€は、
今だと160円くらいか。

1,000円は6.00€、
と覚えておくといろいろわかりやすいかもしれない。

それでペセタは、
2002年に通貨単位としては廃止されてしまう。

以前はペセタからユーロへの交換に期限がなかったみたいだけど、
どうやら2020年12月31日をもって終了したみたいだ。

どこかに幾らか小銭が残っていた気がするんだけど、
今のところ見つかっていない。

見つかったところで、
もう使えないわけだけど。

日本では 円 という通貨が変わることはまずなさそうだけど、
ペセタの歴史は残念なことに130年ほどで終わってしまったのだ。

通貨が違うものになるって、
いったいどんな感じがするんだろう?

スペインと言えばペセタだったのになんだかなあと日本人の自分でさえ思うのだから、
導入がイヤだった現地の人たちもきっといるに違いない。

ちなみにユーロはスペイン語だと euro(エウロ)、
セントは céntimo(センティモ)で€1=100¢ 。

紙幣やコインの種類は?
というとこんな感じで全部で15種類だから日本円よりも数が多い。

スペインの通貨

・紙幣の種類は全部で7種類
  5、10、20、50、100、200、500€

・コインの種類は全部で8種類
 1、2、5、10、20、50¢、1、2€

クレジットカード

よくスペインはスリが多いと言われていたけど今はどうなんだろう?
いずれにしても現金をたくさん持ち歩くのは避けたいところだ。

自分のカードは使えるのか?

そうなると先ずカードが必要になるわけだけど、
自分のものは普通に使えるんだろうか?と調べてみた。

スペインで使えるカードの2強は、
Visa と Mastercard ようだ(まあどこでも同じようなものかもしれないけど)。

Visa のカードはあるから、
行った時はそれでまあ大丈夫だろう。

でも本当は、
Mastercard と両方あった方が良いのかもしれない。

なのでVisa のカードを2枚(1枚はデビットカードにもなるもの)、
Mastercard のカードも2枚つくることにした。

カード決済普及度合いは?

ところでスペインでは、
どれくらいの率でカードが使えるんだろう?

2023年データだとヨーロッパ平均よりはやや低め、
それでも小売取引の約65%が電子決済らしい。

電車の切符やタクシー、
バスなどはカードでも大丈夫。

5€くらいから、
カードで支払う人が結構普通にいるようだ。

美術館の窓口では使えないっぽいが、
事前にオンライン購入するだろうからまあ大丈夫だろう。

なにしろ政府が2025年までにキャッシュレス比率80%を目標を掲げているようなので、
今後は更に普及していくに違いない。

カード決済の注意点は?

そんな中、
カード決済時の注意点がある。

  • 身分証明書提示(パスポートとか)
  • カード暗証番号(PIN)入力

これを求められる場合が、
結構多いらしい。

サインを求められる場合もあるけど、
チップ付きのカード普及で暗証番号(PIN)要求も多いはずだ。

それにあと紛失した場合、
すぐに止めないとダメだしその後の支払いに大きなダメージとなる。

何かの事情で使えない、
なんてことだってあるかもしれない。

あと決済時に日本円・ユーロどちらで決済するのか選択するようになっているみたいだけど、
日本円だとかなりひどいレートになってしまうらしい。

あと、
レシートは一応おらっておいた方が後々何かあった時に良いかもしれない。

ここまでをまとめると、
こんな感じになる。

スペインのクレジットカード注意点
  • クレジットカードは Visa Mastercard どちらかが必須(両方あると更に良い
  • きれば2枚以上あった方が使えない時に安心(もちろん別々の場所に所持)
  • 身分証明書は常に出せるように携帯(ただコピーでも可能なところも多い)
  • 暗証番号(PIN)の記憶(メモしておく場合はカードとは別に)
  • 紛失時の緊急連絡先の控えは持っておきたい
  • 決済はユーロの方が円決済よりお得
  • レシートは必ずもらっておく(¿Me puede dar copia, por favor?)

デビットカード

クレジットカードと同じく現金の代わりに商品やサービスの代金の支払いができるカードが、
デビットカード。

今のところ自分は持っていないけど、
スペインに行く時にはあった方が良いかもしれない。

ちなみに後払い方式のクレジットカードとの違いは、
利用直後に決済額が銀行口座から引き落とされる即時払い方式というところ。

クレジットカードと同じく、
海外ATMで現地通貨を引き出すこともできる。

その際、
2つのタイプのカードがあってこんな感じ。

円預金口座から引き出すタイプ外貨預金から直接引き出すタイプ
現地での利用額が利用日のレートで円換算され
口座から引落とされる
現地通貨と同じ通貨の外貨預金から引き出すから
両替レートを気にする必要がない

手数料はもちろんかかるが、
クレジットカードもあとから手数料と利息がかかるはず。

例えばあるクレジットカードの場合、
海外ATM手数料は110円または220円。

利息は例えば2万円引き出したら、
利息は364円。

デビットカードだと、
海外事務手数料と海外ATM手数料がかかる。

でも例えばあるデビットカードの場合、
毎月2回合計¥30,000までは海外ATMから無料で現金を引き出せる。

その後も2万円引き出したとしたら、
1回117円の手数料とクレカよりかなり安い。

もちろんバーチャルカードが作成できて、
スマホ決済できるものもある。

いずれにしても現金引き出しやカード支払いができる選択肢として、
クレジットカードと共に1枚は持っていきたい。

モバイル決済

カードほどではないけど、
モバイル決済も進んでいるようだ。

Revolut

イギリス発、
150以上の現地通貨での決済可能なデジタル銀行サービス。

リアルとバーチャルのカードがあって、
銀行口座を連携することでチャージできて支払いに使える。

ATMでの外貨引き出しもできて、
月2回総額25,000円までなら手数料もかからない。

ただ平日に限るので、
事前に引き出したい金額を両替しておけば問題ない。

チャージ方法は、
こんな感じ。

  • 銀行振込
  • VISA デビットカード
  • クレジットカード ※チャージ手数料が1.7%かかるのとATMでの外貨引き出しができない
  • プリペイドカード ※チャージ手数料が1.7%かかるのとATMでの外貨引き出しができない

万が一の時のカード凍結もアプリから簡単に行えるし、
ちゃんと日本語のアプリもある。

スタンダードなら無料で使えるから、
入れて行くのもありかもしれない。

Bizum

これは使えないけど、
知識として。

スペインそして隣国アンドラの一部で使える、
スマホでの送金システム。

アプリと銀行口座が連動、
相手電話番号を立ち上げれば50¢~500€まで瞬時に自己口座から相手口座に送金可能。

相手の口座番号を聞かずにスマホの電話帳から送る相手を探して簡単に送金できるので、
割り勘に使ったりもするらしい。

現金は必要?

バルとか売店や市場なんかは
No aceptamos tarjeta de credito(カード支払いできません)となっている場合も多いようだ。

それに、
最低支払金額が決まっているところだってあるだろう。

日本からの持ち出しは少な目で

じゃあ現金は日本からそれなりに持って行った方が良いのか?
となるんだけどそうでもないだろう。

全く持って行かないわけにはいかないけど、
そんなに多く持っていく必要はなさそうだ。

そもそもどこで現金を使うのか?と考えると、
各スポットの入場券はほぼオンラインで購入して決済する。

バスやメトロも、
10回券とかをカードで購入できる。

タクシーも、
大体はカードで支払える。

買い物も同じで、
殆どカードで支払える。

そうなると、
せいぜいバルとかちょっと何か小さい額のものを購入する時かチップくらいか。

だとしたら、
確かにそんなに現金を持ち出す必要はない。

もちろん持っていくなら現地ではなく、
出発前に日本で必要最低限(200€くらい?)を両替しておきたい。

換金は日本の方が、
レートが良いらしい。

但し、
必ず20€以下の紙幣で準備。

バスで現金支払いする場合、
5€札以上のお札での支払い不可らしい。

あと50€札とか、
ほぼおつりがないということで使えないことの方が多いようだ。

€両替のこと

日本から€を持っていく場合、
当たり前だけど両替をしなければならない。

日本円を€に両替するんだったら、
現地に行ってからではなく国内で行く前に準備したい。

方法は以下のようにいくつかあって、
それぞれメリット・デメリットが『傾向』としてありそうなので調べてみた。

銀行空港金券ショップ外貨宅配サービス
手数料
安全・信頼性
メリット金種指定できるその場で即両替その場で即両替24H365日注文可
デメリット営業時間短い混雑あり金種指定不可も送料/時間かかる
同日レート例165.70円165.70
GPA
165.91円
大黒屋
165.59円
外貨両替ドル

レートの違いといっても、
ビックリするような違いはないみたいだ。

そうなると利便性ということになるけど、
そうなると宅配サービスは便利。

ただ券種が指定できないのはちょっと困るが、
外貨両替ドル なら多少の指定はできる。

手数料とか送料は?は、
銀行振込なら400円だし代引きなら700円(10万円以下の場合で以上は無料)。

帰国後の外貨のこと

帰国した際に余ったコインや紙幣があった場合、
外貨交換機 ポケットチェンジ というのがある。

自分の家の近くにも設置されているみたいだけど、
今まで気にしていなかったので知らなかった。

これは帰国後に余った外貨をその場ですぐに電子マネーやギフトコードに交換できる、
というなかなかの優れもの。

交換先はこんな感じで、
充分な選択肢がある。

  • 交通系電子マネー
  • 楽天Edy
  • Amazonギフト券
  • WAON
  • nanaco
  • au PAY ギフトカード
  • WebMoney
  • Google Play ギフトコード

あとはキャッシングで

ところで現金は最低限の持ち出しで、
あとはどうするのか?というと結局は基本2通りのキャッシング方法がある。

    クレジットカード    デビット機能付きキャッシュカード
どこで引き出す?利用したい国際ブランド対応ATM利用したい国際ブランド対応ATM
ATM手数料例)1万以下110 / 以上220円例)無料
海外事務手数料例)3.63%例)3.08%
引き落とし決済日銀行口座から引き落とし
翌日~日割りで早い支払い可
直結銀行口座から即引き落とし

手数料と利息を考えると、
デビット機能付きキャッシュカードの方が良さそうな感じだけどどうなんだろう?合っているかな?

ちなみに同じデビット機能付きキャッシュカードでもいろいろあって、
それぞれ手数料が違ったりもする。

例えばいくつかのデビット機能付きキャッシュカードを比較してみると、
こんな感じになる。

海外事務手数料
もしくは両替手数料
海外ATM手数料
楽天銀行デビットカード3.08%無料
三井住友VISAデビット3.05%110円
プレスティアGlobal Pass外貨口座から支払いで無料
円から両替で3.0%
無料
Wiseデビットカード外貨口座から支払いで無料
円から両替で約0.6%〜
月2回で毎月3万円までなら無料
3回目~70円
3万円~は1.75%
※Revolut2.5万以下平日手数料無料
越えると2.0%
無料

ATM手数料はATM利用手数料とカード利用の手数料がかかるので、
上の表でいう無料というのはカード利用手数料が無料ということ。

なのでATM利用手数料が当然かかるものはかかるし、
その価格幅は結構大きい。

もちろんお得なATMを使いたいところだけど、
探すのが面倒といえば面倒。

ただ無料から9€くらいまでの差がある以上、
あんまり高いところでは使いたくないわけで。

じゃあ安いのはどこ?となると、
たとえば ABANCA は無料と何処かに出ていた気がするけど今もそうなんだろうか?

銀行手数料場所
ABANCA無料マドリード / バルセロナ

チップのこと

スペインでのチップ(propina)は習慣レベルでアメリカみたいな義務ではないので、
ゼッタイに払わなければダメということではない。

ただサービスなどに満足したら感謝の気持ちとして、
総額の5%から10%を払えば良い。

一番わかりやすいのは例えばバルに行った時で、
お酒を注文するとタパスが無料で付いてくる場合がある。

日本のお通しみたいなものだけど日本では当然お通し代が付いてくるわけで、
そのお通し代と考えればチップを渡すことはマナーでしょう?という感じ。

もしチップを払うとしたら?
を場所別にまとめてみた。

バル基本不要だけどお釣りを置いていくか端数を切り上げて渡す
※お釣りはいいですは Quédese con el cambio.
レストランバルと同様
高級レストランなら金額の5~10% カード払いの時も現金で
※伝票にチップ記入欄・合計記入欄が空白な場合があるが払わないなら斜線
 払う場合もcashと記入で払えば良い
※ICチップ対応のカードの場合自分で金額を入力・選択できる場合もある
ホテル荷物を運んでくれたりベッドメイキングをしてもらった際に1~3€
フロントで渡すことは不要
タクシー基本不要だけどお釣りを置いていくか端数を切り上げて渡す
特に荷物を運んでくれた時などは渡したい

通関

ちなみにお金に纏わるという意味で、
免税・持ち込みの制限と持ち出し制限についてはこんな感じ。

まあこれに相当する持ち込み・持ち出しは、
多分何もないんだけど参考に。

【免税・持ち込みの制限】

通貨€10,000相当額(外貨やトラベラーズ・チェックなどを含む)以上は要申告
酒類アルコール度22%以上の酒類1リットル
アルコール度22%以下の酒類2リットル
※18歳以上
タバコ紙巻200本
細い葉巻100本
葉巻50本
葉タバコ250g
※18歳以上
その他土産品は€430相当以上は要申告
※15歳未満は€150
持ち込み禁止品
主要なもの
肉・肉製品・牛乳・乳製品など

【持ち出し制限】

通貨€10,000相当額(外貨、トラベラーズ・チェックなどを含む)以上は要申告

免税制度

外国人旅行者が買い物をした際にパスポートを提示することで、
付加価値税が最大13%免除される。

最低対象額は特にないけど、
消耗品(食事やエンタメ)は対象外。

免税手続き
  • Step1
    Tax Free加盟店でパスポート提示で免税書類を発行してもらう

    Un recibo para la devolución de impuestos, por favor.

  • Step2
    用紙に必要事項を記入

    1 名前 / 苗字
    2 パスポート番号 ローマ字2つ+7桁の数字
    3 日本の住所 部屋番号, 建物名,番地・号・町名, 市区町村, 都道府県, 〒, 国名
     公式サイト 変換サイト
    4 生年月日
    5 Eメール 記入不要
    6 還付金の受け取り方法
     Cash refund received(現金)
     Bank cheque(小切手)
     Credit my credit card (クレジットカード) から選択
     ※現金は免税会社の両替レートが非常に悪いのでカード一択
    7 署名 (漢字でOK)

  • Step3
    原本をもらう

    ※コピー不可 SHOP COPY と印字されているものはコピー

  • Step4
    空港の税関でスタンプをもらう

    EU最終出国地の税関で免税書類に輸出承認のスタンプを押してもらう
    ※バラハス空港税関: T4 2階7:00-22:00 / T4S 2階24時間 / T1 1階7:00-22:00
    ※提出物は免税書類・レシート (カード明細不可)・航空券・パスポート・購入品
    ※購入品(未使用品)はこの手続き後にスーツケースに入れる
    ※DIVAの認証マシーンだと書類のQRコードを翳すだけで終わる

  • Step5
    カードで受け取りの場合は書類をポストに投函

    免税書類を所定の封筒に入れて郵便ポストに投函
    ※投函前に名前・住所カード番号がローマ字で正しく記載されているか必ず確認
    ※現金ならExact ChangeやGlobal Blue塔空港内銀行で受け取る

というわけで…

今回は、
スペインでのお金事情を調べてまとめてみた。

現地に行ってからお金が使えないなんてことにならないように、
この辺りはきちんと覚えておきたいところだ。

スペインはスリが多いという話はよく出てくるけど、
ことお金に関しては安全を心掛けたいところだ。

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